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Book Lounge Academia(ブック・ラウンジ・アカデミア)

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Categories
Country
Japan
This podcast has
103 episodes
Language
Japanese
Explicit
No
Date created
2021/02/23
Latest episode
2026/04/07
Average duration
40 min.
Release period
31 days

Description

ブック・ラウンジ・アカデミアは人文学・社会科学の研究者の著作を、著者自らが語る音声メディアです。学生や研究者はもちろん、知の世界に関心を持つ一般の方々にも楽しんでいただける内容になっています。新しい知の世界をどうぞお楽しみください。 【ウェブサイト】 ブック・ラウンジ・アカデミア https://www.bookloungeacademia.com/ 【SNS公式アカウント】 更新予定や最新情報をお届けしています。ぜひフォローお願いします。 - Twitter: https://twitter.com/BookAcademia - Facebook: https://www.facebook.com/bookloungeacademia/ Youtubeでも配信しています。チャンネル登録・高評価をお願いします。 - Youtube: https://www.youtube.com/channel/UCJNdi5wo6RvmhLBYy2pZHdA

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第102回 橋本摂子さんインタビュー『アウシュヴィッツ以後、正義とは誤謬である〜アーレント判断論の社会学的省察』
2026/04/07
今回は2024年に東京大学出版会より出版された『アウシュヴィッツ以後、正義とは誤謬である〜アーレント判断論の社会学的省察』の著者である橋本摂子さんにお話を伺いました。インタビュアーは森川輝一さんです。 【著作概要】 私たちは何に依って善と悪を判断することができるのか。本書はこの問いをめぐって、20世紀を生きたハンナ・アーレントのテクストを読み解き、社会学知との共鳴を通じて、彼女の思考を「純粋政治批判」として描き出す試みである。本書で目指したのは、社会学や社会理論の伝統的な問題構制に沿うよう、アーレントを恣意的に読みかえたり改変したり応用したりすることではない。あるいは、アーレントを通じてなにか社会学に資するような有益な知見をもたらそうという意図もない。ただ単純に、アーレントの残したテクスト群の有機的なつながりとその核心にあるものを、既存の社会学知の枠組みを用いて、それ自体において理解することを目指した。アーレントは、神や道徳や一般意志を拒み、判断を自由の可能性へと開いた。本書の議論を通じ、あらためてその強靭な思考の核心を提示したい。 【ゲスト:橋本摂子 プロフィール】 1974年生まれ。1997年,東京工業大学工学部卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究博士課程退学、博士(学術)。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は、社会学、社会理論、社会的不平等、社会調査と計量分析。 【インタビュアー:森川輝一 プロフィール】 1971年生まれ。1995年、京都大学法学部卒業。京都大学大学院法学研究科博士課程満期退学。博士(法学)。現在、京都大学大学院法学研究科教授。専門は、西洋政治思想史、現代政治理論。主な著作に『〈始まり〉のアーレント〜「出生」の思想の誕生』(岩波書店 2010年)、『講義 政治思想と文学』(共編著 ナカニシヤ出版 2017 年)などがある。
第101回 山下惠理さんインタビュー『感覚の植民地主義と言語のヘゲモニー〜フィリピンろう者の身体と文化実践』
2026/03/24
今回は2025年に勁草書房より出版された『感覚の植民地主義と言語のヘゲモニー〜フィリピンろう者の身体と文化実践』の著者である山下惠理さんにお話を伺いました。インタビュアーは北田依利さんです。 【著作概要】 フィリピンのような多言語社会で、手話はどのように生まれ、継承され、周縁化されてきたのか。ろう文化をめぐる知られざる文化実践の歴史を通し、音声言語を前提とした制度や社会の中での複層的な権力構造、そして「言語のあり方」そのものを問い直す試み。 【ゲスト:山下惠理 プロフィール】 立命館大学グローバル教養学部教員。専門は障害学・フィリピン地域研究。とくに、ろう者文化や手話をめぐる歴史・教育・政策を通して、感覚や言語がいかに社会的・政治的に編成されてきたのかを学んでいる。 【インタビュアー:北田依利 プロフィール】 東京大学 東京カレッジ ポストドクトラルフェロー。歴史学を専門とし、米国およびアジア太平洋地域の人種・ジェンダー/セクシュアリティ・植民地主義を勉強している。
第100回 那波泰輔さんインタビュー『「わだつみ」の歴史社会学〜人びとは「戦争体験」をどう紡ごうとしたのか』
2026/02/24
今回は2025年に雄山閣より出版された『「わだつみ」の歴史社会学〜人びとは「戦争体験」をどう紡ごうとしたのか』の著者である那波泰輔さんにお話を伺いました。インタビュアーは門脇愛さんです。 【著作概要】 戦没学生という悲劇を繰り返さないこと、平和のために寄与することを活動の根幹に据えている「わだつみ会」。「わだつみ会」のそれぞれの時期の活動内容や特徴などに焦点を当てることで、「戦争体験」がどう捉えられ、いかにして向き合われていったのかを描くとともに、戦後日本の歴史が、「戦争体験」を語り継ぐという行為にどのような影響を及ぼしていったのかを明らかにする。 【ゲスト:那波泰輔 プロフィール】 一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。現在、成蹊大学 社会調査士課程室 調査・実習指導助手。社会理論・動態研究所所員。専攻分野は歴史社会学。主な業績として「ハチ公像が時代によってどのように表象されたのか〜戦前と戦後以降のハチ公像を比較して」(『年報カルチュラル・スタディーズ』vol.2 2014年)、「わだつみ会における加害者性の主題化の過程〜一九八八年の規約改正に着目して」(『大原社会問題研究所雑誌』764号 2022年)、「『わだつみ』という〈環礁〉への航路〜ミュージアム来館者調査から」(清水亮・白岩伸也・角田燎編『戦争のかけらを集めて〜遠ざかる兵士たちと私たちの歴史実践』 2024年)。 【インタビュアー:門脇愛 プロフィール】 東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究専攻修了、修士(文学)。2015年よりわだつみのこえ記念館でのボランティアに従事する。専攻分野は文化資源学。
第99回 河西棟馬さんインタビュー『「後進国」日本の研究開発〜電気通信工学・技師・ナショナリズム』
2026/02/10
今回は2024年に名古屋大学出版会より出版された『「後進国」日本の研究開発〜電気通信工学・技師・ナショナリズム』の著者である河西棟馬さんにお話を伺いました。インタビュアーは小堀聡さんです。 【著作概要】 本書は、電気通信工学を題材にとり、日本近代技術史を、先端的研究領域への参入という切り口から論じた著作である。幕末・明治期に西洋近代技術の本格的移転・導入を開始した「後進国」日本の技術者たちは、日露戦争の勝利を一つのきっかけとし、「文明国」の一員として創造的研究へと乗り出していく。本書は明治後期からアジア・太平洋戦争直前までの電気通信工学者・技術者たちの活動を手がかりに、どのような動機が彼らをオリジナリティや独創性へと駆り立て、その到達点と限界はどこにあったのかを検討したものである。 【ゲスト:河西棟馬 プロフィール】 東京科学大学リベラルアーツ研究教育院講師。博士(文学)(京都大学)。専門は技術史。戦前日本の電気通信工学や情報科学の形成史などを研究してきた。主著に今回ご紹介した『「後進国」日本の研究開発〜電気通信工学・技師・ナショナリズム』(名古屋大学出版会、2024年)。 【インタビュアー:小堀聡 プロフィール】 京都大学人文科学研究所准教授。博士(経済学)(大阪大学)。専門は近現代日本経済史。戦後日本の社会経済史や環境史を主要なテーマとし、エネルギー開発・利用と環境変化の関係、高度経済成長期の政策・公害問題、社会運動史などを歴史的に分析している。これまで名古屋大学大学院経済学研究科で講師・准教授を務めた後、2021年より現職。
第98回 藤本大士さんインタビュー『Medical Women in the Japanese Empire〜Sources and Critique』
2026/01/27
今回は2025年にRoutledgeより出版された『Medical Women in the Japanese Empire〜Sources and Critique』の編者のお一人である藤本大士さんにお話を伺いました。インタビュアーは岩間有希奈さんです。 【著作概要】 本書は、日本語・中国語・朝鮮語の一次史料の翻訳とその分析を通じ、帝国日本において女性医師、看護婦、産婆、栄養士として働いた女性たちの多様な経験を明らかにする。日本という国家および帝国は、彼女たちにとって機会ともなり、制限ともなった。本書は、彼女たちが当時の女性に対する規範にいかに向き合い、女性のための新たな空間を切り拓こうとしたか、あるいは、医療の機会を求めて国境や地域的境界を越えた、あるいは越えなければならなかったかなどを示す。 【ゲスト:藤本大士 プロフィール】 2010年、早稲田大学人間科学部卒業(科学史・科学論)。2019年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(科学史・科学哲学)、博士(学術)。現在、ハイデルベルク大学トランスカルチュラル・スタディーズ・センター講師。専門は近代日本医学史。主要著作に『医学とキリスト教〜日本におけるアメリカ・プロテスタントの医療宣教』(法政大学出版局、2021年)。 【インタビュアー:岩間有希奈 プロフィール】 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程2年。専門はドイツ近現代史、ジェンダー史。関心はヴァイマル期およびナチ期ドイツの女性医師の国際関係について。博士前期課程修了後、2018年より5年間東邦大学にて額田記念東邦大学資料室を担当し、女性への理科系教育の歴史を扱う。
第97回 師田史子さんインタビュー『日々賭けをする人々〜フィリピン闘鶏と数字くじの意味世界』
2026/01/13
今回は2025年に慶應義塾大学出版会より出版された『日々賭けをする人々〜フィリピン闘鶏と数字くじの意味世界』の著者である師田史子さんにお話を伺いました。インタビュアーは鶴見太郎さんです。 【著作概要】 フィリピンにおいて賭博は、政治家から市井の人々に至るまで、社会のあらゆる階層に深く埋め込まれている。本書は、フィリピン社会の日常的な賭博実践、とりわけ闘鶏と数字くじに注目し、日々賭け続ける賭博者たちの姿を鮮やかに描き出していく。なぜ彼らは賭けるのか、賭けを通じた世界にはどのような意味が付与されているのか。「運」によって自らを世界と相関しようとする賭博者たちの思考と実践を通して、「賭ける」ことの意味を探究する。 【ゲスト:師田史子 プロフィール】 1992年神奈川県横須賀市生まれ。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教・博士(地域研究)。専門は、文化人類学、フィリピン地域研究。フィリピンを中心としたギャンブル実践を調査し、「賭ける」という行為の意味を探っている。著書に今回紹介した『日々賭けをする人々:フィリピン闘鶏と数字くじの意味世界』(慶應義塾大学出版会、2025年)。 【インタビュアー:鶴見太郎 プロフィール】 1982年岐阜県神岡町(現飛騨市)生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻准教授・博士(学術)。専門は、歴史社会学、ロシア・ユダヤ人、イスラエル/パレスチナ、エスニシティ・ナショナリズム。主な著書:『ロシア・シオニズムの想像力:ユダヤ人・帝国・パレスチナ』(東京大学出版会、2012年)、『イスラエルの起源:ロシア・ユダヤ人がつくった国』(講談社、2020年)、From Europe’s East to the Middle East: Israel’s Russian and Polish Lineages(共編著、ペンシルベニア大学出版局、2021年)
第96回 小林宏至さんインタビュー『土楼〜円い空の下で暮らす福建客家の民族誌』
2025/09/23
今回は2024年に風響社より出版された『土楼〜円い空の下で暮らす福建客家の民族誌』の著者である小林宏至さんにお話を伺いました。インタビュアーは川口幸大さんです。 【著作概要】 本書は土楼という巨大な民間建築に関する民族誌的研究です。著者はそこに2年間暮らし、居住者と15年以上にわたって交流することで民族誌を書き上げました。土楼ってなんでこんなに巨大で変な形をしているのだろう…というのが本書の入り口です。それを明らかにしていく中で、そこで暮らす人びとと建物との関係を紐解くことが必要になってきました。そのため本書は、建物の話が半分(第一部)、そこで暮らす人々の話がもう半分(第二部)となっています。 土楼という建物も、そこに暮らす親族集団も、合理的で美しく「完璧」な理念モデルはありながらも、実際は増改築を繰りかえしたり、人物呼称を変えたりしながら、互いを「更新」しています。その「更新」作業においてタテモノ/ヒトの主体性は同等です。結論部では、この現場レベルでの「更新」の在り方を音律論を交えて解説しました。 インタビューの内容は専門性が高く、気軽に聴けないかもしれません。ただ逆に言えば、漢族を研究対象とする人類学者同士が、普段どんな会話をしているのかというものが如実に再現されております。そういった意味で、メタ的にお楽しみいただければ幸いです。 【ゲスト:小林宏至 プロフィール】 1981年東京都生まれ。専門は社会人類学。客家社会研究。東京学芸大学(教育学部K類アジア研究)卒業。首都大学東京大学院(人文科学研究科)博士前期課程を経て、同大学院(人文科学研究科)博士後期課程満期退学。博士(社会人類学)。日本学術振興会特別研究員PD(東北大学)を経て、現在、山口大学准教授。 【インタビュアー:川口幸大 プロフィール】 東北大学大学院文学研究科・文学部 教授(広域文化学専攻 域際文化学講座 文化人類学分野)。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。 国立民族学博物館機関研究員を経て、2010年より現職。研究分野は東アジア、特に中国における家族親族、宗教、移動、食など。
第95回 高畑幸さんインタビュー『在日フィリピン人社会〜1980~2020年代の結婚移民と日系人』
2025/09/09
今回は2024年に名古屋大学出版会より出版された『在日フィリピン人社会〜1980~2020年代の結婚移民と日系人』の著者である高畑幸さんにお話を伺いました。インタビュアーは和田吾雄彦アンジェロさんです。 ※本インタビューの構成・企画において、北田依利さん(東京大学・東京カレッジ・ポストドクトラルフェロー、歴史学)にもご協力いただいております。 【著作概要】バブル期に毎年数万人の流入をみたエンターテイナー世代から、ブラジル人に代わり急増する日系人まで、いまや幅広い世代と領域に広がり日本社会の一部となったフィリピン人たち。外国人労働者の先駆でもある一大エスニック集団の暮らしと語りに密着し、全体像を活き活きと描き出す。 【ゲスト:高畑幸プロフィール】静岡県立大学国際関係学部教授。1969年、大阪生まれ、秋田育ち。大阪外国語大学(現・大阪大学)大学院を経て大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程(社会学専攻)修了。博士(文学)。専門分野は都市社会学、都市エスニシティ、在日外国人問題(特に在日フィリピン人)。静岡県多文化共生審議会委員、焼津市多文化共生推進協議会会長等。フィリピン語の法廷通訳者としても約30年活動している。 researchmap https://researchmap.jp/read0138628 【インタビュアー:和田吾雄彦アンジェロ】1997年、神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程に在籍中。修士(国際貢献)。専門は社会学(特にジェンダー研究)で、在日フィリピン人女性の社会調査を行っている。
第94回 扈素妍さんインタビュー『植民地朝鮮と「出産の場」〜産婆と胎教の衛生史』
2025/08/12
今回は2025年に慶応義塾大学出版会より出版された『植民地朝鮮と「出産の場」〜産婆と胎教の衛生史』の著者である扈素妍さんにお話を伺いました。インタビュアーは長澤裕子さんです。 【著作概要】日本統治下にあった20世紀前半の朝鮮における「出産の場」、とくに産婆や胎教がどのように機能していたか、言説分析を通して明らかにする。「出産」をめぐって日本人の役人、医師、朝鮮人産婆、優生学者などが、新聞・雑誌でさまざまな言説を展開した。「近代の知」が旧弊の「風習」とときに対立し、ときに協力関係を結ぶといった複雑なせめぎあいがあったことを実証的に論じ、出産する女性をとりまく様相を起点に「歴史叙述を女性へ取り戻す」ことを試みる。 【ゲスト:扈素妍プロフィール】京都大学大学文書館特定助教。2011年ソウル市立大学人文学部国史学科卒業。2016年京都大学大学院文学研究科歴史文化学専攻日本史専修修了。2021年京都大学大学院文学研究科歴史文化学専攻日本史専修研究指導認定退学。2023年同大学院同研究科博士号(文学)取得。奈良文化財研究所企画調整部アソシエイトフェローを経て、現在に至る。主要論文に、「植民地朝鮮の出産風習としての胎教と生政治〜『優生学』言説を中心に」(『朝鮮学報』第260巻、2022年)、「植民地朝鮮における出産風習と産婆養成政策」(『史林』第103巻第5号、2020年)など。 【インタビュアー:長澤裕子プロフィール】高麗大学校政治外交学科博士課程終了、博士(政治学)。東京大学大学院総合文化研究科、特任准教授を経て、現在、ソウル大学校アジア研究所、訪問研究員フェロー兼早稲田大学国際和解学研究所、招聘研究員。専門は日米韓外交史。朝鮮半島の分断と政治・文化政策、日韓・日朝国交正常化交渉を研究している。著作に外村大・長澤裕子『<負の遺産>を架け橋に〜文化財から問う日本社会と韓国・朝鮮』(ころから、2024年)など。近刊に、編著『ようこそ韓国・朝鮮世界へ』(昭和堂)、単著『朝鮮の南北分断と日本の主権〜太平洋戦争から対日講和条約締結まで』(ソウル:高麗大学校出版文化院、ハーバードイェンチン研究所出版助成)。
第93回 小野坂元さんインタビュー『ILOの対中関与と上海YWCA〜労働と平和の国際機構間関係史1919-1946』
2025/07/29
今回は2025年に法政大学出版局より出版された『ILOの対中関与と上海YWCA〜労働と平和の国際機構間関係史1919-1946』の著者である小野坂元さんにお話を伺いました。インタビュアーは鶴見太郎さんです。 【著作概要】第一次世界大戦後に設立された国際労働機関ILO。現状維持的な妥協の産物としての一面もあったが、本書は中国で労働運動が高揚したのをきっかけに変化し始めていく過程を描いた。治外法権の租界があり、女性や児童が劣悪な条件で働く上海で、ILOはなぜ、民間団体YWCAと協力できたのか。日中戦争期の抗日運動の国際化についての新知見をもふまえ、民族・階級・ジェンダーから戦争と平和を考察する。 【ゲスト:小野坂元プロフィール】1989 年新潟県小千谷市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術、2023 年)。現在、早稲田大学現代政治経済研究所・次席研究員。専門は、国際政治史、労働運動史、キリスト教社会主義思想、和解学。本書およびその初出となった論文以外の業績として、"Reconstruction and Resistance: China YWCA during the Sino-Japanese War and Wartime Assemblies of International Organizations," International Association for Reconciliation Studies (IARS) 5th Annual Conference (Assisi Italy: 3 July 2024).(学会報告) 【インタビュアー:鶴見太郎プロフィール】1982年岐阜県神岡町(現飛騨市)生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻准教授・博士(学術)。専門は、歴史社会学、ロシア・ユダヤ人、イスラエル/パレスチナ、エスニシティ・ナショナリズム。主な著書:『ロシア・シオニズムの想像力』(東京大学出版会、2012年)、『イスラエルの起源』(講談社、2020年)、『ユダヤ人の歴史』(中央公論新社、2025年)、From Europe’s East to the Middle East: Israel’s Russian and Polish Lineages(共編著、ペンシルベニア大学出版局、2021年)
第92回 仙波希望さんインタビュー『ありふれた〈平和都市〉の解体〜広島をめぐる空間論的探求』
2025/07/15
今回は2024年に以文社より出版された『ありふれた〈平和都市〉の解体〜広島をめぐる空間論的探求』の著者である仙波希望さんにお話を伺いました。インタビュアーは清水亮さんです。 【著作概要】原子爆弾投下という人類史的悲劇を経験した広島は、なぜ〈平和都市〉を標榜し、体現しようとしたのか。本書は、まさに所与のものとして語られてきた〈平和都市〉としての広島を主題に、その系譜・景観・空間構造を成り立たせてきた存立基盤を解体することで、未だ「問う」べき対象としての都市・広島の姿を明るみに出す。第一部の理論編ではこれまでの広島研究を「記憶」と「復興」の両軸から再審し、ここに見る課題(〈平和都市〉の二分法)を昨今の都市研究の成果を補助線に、本書の課題として位置づける。そこから第二部の事例編では〈平和都市〉化のプロセスを「8月6日」を貫通しながら展開したものとして位置づけなおし、その一つの帰結としての「原爆スラム」の生成と消滅、また〈平和都市〉自体の正統性を問い直す空間的実践としての〈平和塔〉の存在について論じた。 【ゲスト:仙波希望プロフィール】1987年広島県生まれ。札幌大谷大学社会学部地域社会学科准教授。東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程国際社会専攻修了。博士(学術)。専門は都市研究、カルチュラル・スタディーズ。 本書『ありふれた〈平和都市〉の解体』が初の単著となる。主な著書に『惑星都市理論』(共編、以文社、2021年)、『忘却の記憶』(共編、月曜社、2018年)。主な業績に「『平和都市』の『原爆スラム』」(『日本都市社会学会年報』第7回日本都市社会学会若手奨励賞受賞、2016年)。 https://researchmap.jp/nozomu_semba 【インタビュアー:清水亮プロフィール】1991年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部専任講師。東京大学人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会学)。主著に『「予科練」戦友会の社会学〜戦争の記憶のかたち』(新曜社、2022年)、『「軍都」を生きる〜霞ケ浦の生活史1919-1968』(岩波書店、2023年)、『戦争のかけらを集めて〜遠ざかる兵士たちと私たちの歴史実践』(共編著、図書出版みぎわ、2024年)など。その他詳細は、https://researchmap.jp/smzr/
第91回 増渕あさ子さんインタビュー『軍事化される福祉(ウェルフェア)〜米軍統治下沖縄をめぐる「救済」の系譜』
2025/06/24
今回は2025年にインパクト出版会より出版された『軍事化される福祉(ウェルフェア)〜米軍統治下沖縄をめぐる「救済」の系譜』の著者である増渕あさ子さんにお話を伺いました。インタビュアーは松田ヒロ子さんです。 【著作概要】本書は、米軍統治下沖縄(1945-1972年)における住民の医療福祉や衛生に関わる制度や言説、人びとの実践を分析対象とし、生活・生命を守り、心身をケアする様々な「福祉(ウェルフェア)」実践が、沖縄を「反共の砦」として軍事要塞化しようとしていた米国の軍事拡張主義・冷戦政策と複雑かつ密接に結びついていた事態を、「軍事化される福祉(militarized welfare)」という言葉で理論化・問題化している。 沖縄戦開始と同時に米軍施政下に置かれた沖縄では、大規模なマラリア防遏を皮切りに、性病・結核・ハンセン病など主に感染症対策を中心とする公衆衛生政策が矢継ぎ早にとられていった。しかし、沖縄での医療衛生政策は、米軍人の健康維持を第一義としたものであり、住民福祉の復興は沖縄の医療者の手にゆだねられた。沖縄における社会政策の不整備は、それを補完する形で、沖縄内外を結ぶ官民による多様な援助活動・救済運動を引き起こす。海外沖縄移民やキリスト教団体、国際機関によるこうした活動は、しばしば米軍当局や日米政府の思惑に絡め取られながらも、統治側も予期しない、領土的境界をこえた人的・物的ネットワークも生み出していた。軍事の論理が優先されたことで沖縄の福祉の現場に生じた〈歪み〉を、様々な力学が輻輳する〈磁場〉として分析することで、沖縄米軍統治の歴史を生命・生活をめぐる政治という最も親密で身体的な次元から再検討することが、本書を貫く問題視座である。 【ゲスト:増渕あさ子プロフィール】トロント大学東アジア研究学部博士課程修了(Ph.D.)。現在、立命館大学産業社会学部准教授。同志社大学〈奄美-沖縄-琉球〉研究センター研究員。専門は歴史社会学、戦後沖縄史、医療史、エスニシティ研究。 主な著作として、“Stamping Out the ‘Nation-Ruining Disease’: Anti-Tuberculosis Campaign in US-Occupied Okinawa”, Social History of Medicine 34 (4), 2021、「公衆衛生看護婦の経験から考える沖縄の戦争と占領」『社会事業史研究』(61号、2022年)、「医療衛生から再考する沖縄米軍占領」歴史学研究会編『日本復帰50年琉球沖縄史の現在地』(東京大学出版会、2024年)。 【インタビュアー:松田ヒロ子プロフィール】神戸学院大学専任教員、ブックラウンジアカデミア事務局 プロフィール詳細→https://researchmap.jp/hirokomatsuda
第90回 二井彬緒さんインタビュー『ハンナ・アーレントと共生の〈場所〉論(トポロジー)〜パレスチナ・ユダヤのバイナショナリズムを再考する』
2025/06/03
今回は2025年に晃洋書房より出版された『ハンナ・アーレントと共生の〈場所〉論(トポロジー)〜パレスチナ・ユダヤのバイナショナリズムを再考する』の著者である二井彬緒さんにお話を伺いました。インタビュアーは林大地さんです。 【著作概要】1940年、ハンナ・アーレントは何を思いパレスチナ人とユダヤ人の共存国家論を論じたのか。初期論考が収められた『ユダヤ論集』から『革命について』『エルサレムのアイヒマン』までを分析し、シオニズムへの批判から連邦制の理論が紡がれるまでの洞察を読み直す。〈場所〉を失い難民となった一人の思想家による、他者と共生する〈場所〉の未来像を示す。 【ゲスト:二井彬緒プロフィール】東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(表象文化論)「人間の安全保障」プログラム博士課程修了。博士(国際貢献)。現在は同プログラム助教。専門は社会思想史・政治思想、ハンナ・アーレント研究。関心はイスラエル・パレスチナ紛争、ユダヤ人問題、難民問題、場所論、ポスト・コロニアリズム。既刊論文・記事として「『倫理的なもの』への地図〜ジュディス・バトラーのパレスチナ/イスラエル論」(『現代思想』2024年2月号)、「〈クレオール〉の声を聴くアーレント思想へ〜ed. by Marilyn Nissim-Sabat and Neil Roberts, Creolizing Hannah Arendt を読む」(『政治思想学会会報』59号、2024年)など。https://researchmap.jp/akio-futai21 【インタビュアー:林大地プロフィール】京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程三年。専攻は20世紀ドイツ思想史。趣味は古本屋めぐり。著書『世界への信頼と希望、そして愛〜アーレント「活動的生」から考える』(みすず書房、2023年)、主な論文に「世界への気遣いとしての活動的生〜ハンナ・アーレント『活動的生』における活動の場所指定の重要性」(『社会システム研究』第25巻、2022年)など。京都大学生協発行の書評誌『綴葉』の元編集長。現在も同誌の編集委員として、毎月書評活動を行なっている。 ◎ブック・ラウンジ・アカデミア ☆ 月2〜3回水曜日配信 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://www.bookloungeacademia.com/⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ◎Podcastでも配信中 Apple ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://apple.co/3srJkpY⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ Spotify ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://open.spotify.com/show/0BI0ASpdhqQy1f116PGA3f⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ◎X ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/bookacademia⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ◎Facebook ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://www.facebook.com/bookloungeacademia/⁠⁠
第89回 飯島真里子さんインタビュー『コナコーヒーのグローバル・ヒストリー〜太平洋空間の重層的移動史』
2025/05/20
今回は2025年に京都大学学術出版会より出版された『コナコーヒーのグローバル・ヒストリー〜太平洋空間の重層的移動史』の著者である飯島真里子さんにお話を伺いました。インタビュアーは松田ヒロ子さんです。 【著作概要】本書は、世界的に有名な高品質コーヒーの産地として知られるハワイ島コナから、グローバル・ヒストリーを描き出す試みである。200年近くコナで栽培されてきたコーヒーの歴史には、日英米帝国の植民地主義、アジアやラテンアメリカ地域からの労働移民、スペシャルティ・コーヒーという概念の浸透などグローバルな規模で展開されたヒト・モノ・思想の「移動」が重層的に絡み合っていた。異なる時期・規模・背景のこれらの移動から、日欧米地域やラテンアメリカ地域からコナ、コナからアジアの亜熱帯地域(南洋群島や台湾)やラテンアメリカ地域へと、コナという極めてミクロな地域が、太平洋空間の多方向的移動の結節点となったことが浮き彫りとなる。これにより、産地名によって固定化されてしまった「コナ」コーヒーの認識を、200年という時間軸、太平洋地域という空間軸、越境という移動軸を投入することで深化させ、没背景化された歴史を浮き彫りにする。 【ゲスト:飯島真里子プロフィール】専門は歴史学。上智大学外国語学部卒業後、英国オックスフォード大学にてMPhilとDPhil課程修了。主な業績として、「戦後沖縄における糖業復興〜製糖経験と沖縄ディアスポラの連続性」野入直美編『引揚げエリートと戦後沖縄の再編』(不二出版、2024年)、「二つの帝国と近代糖業〜ハワイと台湾をつなぐ移動者たち」『農業史研究』(55号、2021年)、 “Japanese Diasporas and Coffee Production,” The Oxford Research Encyclopedia for Asian History (2019)などがある。経歴詳細はhttps://researchmap.jp/read0150098を参照のこと。 【インタビュアー:松田ヒロ子プロフィール】神戸学院大学専任教員、ブック・ラウンジ・アカデミア事務局 経歴の詳細→https://researchmap.jp/hirokomatsuda ◎ブック・ラウンジ・アカデミア ☆ 月2〜3回水曜日配信 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://www.bookloungeacademia.com/⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ◎Podcastでも配信中 Apple ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://apple.co/3srJkpY⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ Spotify ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://open.spotify.com/show/0BI0ASpdhqQy1f116PGA3f⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ◎X ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/bookacademia⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ◎Facebook ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://www.facebook.com/bookloungeacademia/⁠⁠
第88回 森類臣さんインタビュー『北朝鮮を解剖する〜政治・経済から芸術・文化まで』
2025/02/04
今回は2024年に慶應義塾大学出版会より出版された『北朝鮮を解剖する〜政治・経済から芸術・文化まで』(礒﨑敦仁 編著)の著者のお一人である森類臣さんにお話を伺いました。インタビュアーは長澤裕子さんです。 【著作概要】北朝鮮研究は、これまで行われてきた政治・外交・経済分野はもちろんのこと、近年では映画や音楽分野など裾野が広がりつつある。本書は、所属先や出身大学の垣根を超えた第一線の日本人研究者が協同して、同国に対する新たな視座を提供する。北朝鮮の政治・外交・経済・文化を描く。一般教養書と研究書の中間的な役割を担う書籍でありつつ、学生が北朝鮮に関して知るときに手引きとなるであろう。 【ゲスト:森類臣プロフィール】摂南大学国際学部国際学科准教授。同志社大学大学院社会学研究科メディア学専攻博士後期課程退学、博士(メディア学)。専門は歴史社会学・地域研究(韓国・朝鮮)。主な著作として『北朝鮮の対外関係〜多角的な視角とその接近方法 』(中戸祐夫・森類臣編著 、晃洋書房、2022年)、『韓国ジャーナリズムと言論民主化運動〜『ハンギョレ新聞』をめぐる歴史社会学』(日本経済評論社,2019年、単著)、『韓国ドラマの想像力〜社会学と文化研究からのアプローチ』(平田由紀江・森類臣・山中千恵著、人文書院、2024年) 【インタビュアー:長澤裕子プロフィール】高麗大学大学院政治外交学科修了、博士(政治学)。元東京大学大学院総合文化研究科特任准教授。現在、早稲田大学国際和解学研究所 招聘研究員。専門は日米韓外交史、朝鮮半島の政治と文化政策。著作に外村大・長澤裕子『<負の遺産>を架け橋に〜文化財から問う日本社会と韓国・朝鮮』(ころから、2024年)、「金日成唯一支配体制期の学術定期刊行物と「1965年体制」批判〜「日米韓帝国主義」批判と歴史学・考古学研究」『北朝鮮の対外関係〜多角的な視角とその接近方法 』(中戸祐夫・森類臣編著 、晃洋書房、2022年)など。 ◎ブック・ラウンジ・アカデミア ☆ 月2〜3回水曜日配信 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://www.bookloungeacademia.com/⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ◎Podcastでも配信中 Apple ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://apple.co/3srJkpY⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ Spotify ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://open.spotify.com/show/0BI0ASpdhqQy1f116PGA3f⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ◎X ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/bookacademia⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ◎Facebook ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://www.facebook.com/bookloungeacademia/⁠⁠

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