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エンタメビジネス実況中継

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56 episodes
Language
Japanese
Explicit
No
Date created
2026/05/30
Latest episode
2026/10/27
Average duration
16 min.
Release period
5 days

Description

エンタメ業界で15年、漫画・アニメ・ゲーム・キャラクターIPの新規事業を立ち上げてきた朝日けけが、いまそこで起きているビジネスの動きを毎回1つピックアップ。ひとりで、ときにはゲストとともに30分語り続けます。分析でも解説でもない、「実況中継」です。 asahikeke.substack.com

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KiiiKiiiのMVが古く見えない理由。大人には懐かしく、彼女たちには新しいから。
2026/10/27
「懐かしい画面なのに、KiiiKiiiのMVは古く見えない。」 KiiiKiiiのMVには、大草原、昔のゲーム画面、ガラケー、旅行サイトの予約画面が登場します。使われる素材の時代は2000年代後半から2010年代なのに、見せ方は作品ごとに変わる。その変化を、デビュー曲から4本の映像をたどって考えました。 気になったのは、大人には懐かしいはずの画面が、不思議なくらい新しく見えることでした。当時の服や小道具を並べるだけではなく、写真を飾ったり、画面を操作したりする遊び方まで作品になっています。映像を見ていない方にも、その場面が伝わるように話します。 5人のメンバーは2005年から2010年生まれ。大人にとっての思い出のネット文化を、彼女たちは知らない時代の新しいおもちゃとして使っています。その世代の違いが、懐かしさを再現するだけでは終わらない、身軽な表現につながっているとわたしは見ています。 今回は日本初ワンマンに合わせて書いた10月25日の無料記事から、実写、ネットの記憶、平成のデコ文化、ウェブ画面へと広がる世界観をたどります。NewJeans以降のK-POPで求められる完成度も踏まえながら、KiiiKiiiならではの映像の作り方を考えました。 ▼話したこと ・ティザーなしで公開したデビューMVは、大自然と5人の存在感が主役 ・「404」は行き止まりのエラーコードを、座標のない自由に読み替えた ・ガラケーのコマ撮り映像は、小道具だけでなく当時の遊び方も映す ・旅行予約の画面を操作することが、MVの物語を前に進めていく ・2005〜2010年生まれのメンバーが、知らない時代のネットで遊ぶ ▼note記事 KiiiKiiiのMVが古く見えない理由。大人には懐かしく、彼女たちには新しいから。 https://note.com/keke_ent/n/n374ecfa06b45 ▼朝日けけ。 note:https://note.com/keke_ent メンバーシップ:https://note.com/keke_ent/membership Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
ILLITは初動最下位でもSpotify1位。10/26同日カムバックのIVE・ILLIT・RIIZEは、勝っている場所が違った。
2026/10/26
「初動で負けているILLITが、Spotifyでは1位。」 2026年10月26日、IVE・ILLIT・RIIZEが同じ日にカムバック。発売から7日間のアルバム売上、Spotifyの月間リスナー、日本のドーム公演の動員を並べると、3組の1位はすべて違いました。同じ日の新作でも、比べる数字によって見える姿が変わります。 気になったのは、アルバムの初動がいちばん少ないILLITに、Spotifyでは圧倒的に多くのリスナーがいることです。売れた枚数だけで人気を判断すると、毎月曲に出会っている人たちの広がりが見えなくなります。数字の中身を1組ずつ確かめてみました。 RIIZEはアルバムが出る週に売上が集まり、ILLITは世界で聴かれる人数に強みがあります。IVEは韓国の初動が減る一方で、日本のドーム動員を伸ばしていました。3組が勝っている場所を分けると、今回のリリースで注目したい点も、それぞれ変わってきます。 今回は10月23日の無料記事をもとに、初動、ストリーミング、日本のライブという3つの数字から、グループごとの勝ち方を考えます。Spotifyの月間リスナーは10月21日時点の記録です。発売後の結果を予想する前に、比べる数字の意味を整理しました。 ▼話したこと ・RIIZEとILLITは2回目の同日リリース。今回は新作の形式も違う ・平均約105万枚のRIIZEは、アルバム発売週の売上に強さが集まる ・ILLITの月間リスナーは約1,932万人。初動と逆の順位になる ・韓国の初動が減ったIVEは、日本のドームで約12.7万人を集めた ・初動・Spotify・ライブで勝者が変わる、3組の数字の見方 ▼note記事 ILLITは初動最下位でもSpotify1位。10/26同日カムバックのIVE・ILLIT・RIIZEは、勝っている場所が違った。 https://note.com/keke_ent/n/naa0ad0d59485 ▼朝日けけ。 note:https://note.com/keke_ent メンバーシップ:https://note.com/keke_ent/membership Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
ミン・ヒジンは「自分が欲しいもの」しか作らない。
2026/09/25
「表紙の依頼を断ってきた人が、なぜ今回は受けたのか?」 2026年9月発売の『Casa BRUTUS』に、ミン・ヒジンさんが登場しました。韓国の雑誌からの表紙依頼は断ってきたと話す彼女が、今回は自宅を公開し、26ページの特集にも参加しています。その理由を、編集長と出演したラジオ番組で語っていました。 わたしはNewJeansが大好きです。曲やダンスだけでなく、全体を貫くクリエイティブにも惹かれてきました。だから今回の話を聞いて、ミン・ヒジンさんが何を基準に仕事を選び、仲間へ意図を伝えているのか、改めて考えました。 表紙を引き受ける判断、ooak recordsの名前、コラボグッズ、東京ドーム公演でのスタッフへの任せ方。別々に見える行動の根には、「自分が欲しいもの、自分がお客さんなら体験したいものを作る」という同じ基準があります。 今回は記事で挙げた10の選択を、耳で追える順番で話します。なぜ表紙を受け、どんな相手と組み、なぜ計画を決め切らないのか。本人の発言と具体的な仕事をたどりながら、この基準がビジネスの中でどう働いているかを考えます。 ▼話したこと ・韓国誌の表紙を断ってきたミン・ヒジンが、Casa BRUTUSの取材を受けた理由 ・ooak recordsの名前に込めた「誰でもOK」と、直感で決める命名の基準 ・古いレコードとMF DOOMを同じ棚に置く、ジャンルに縛られない好み ・everyone okのグッズを、売上より記憶に残る記念品として作る考え方 ・東京ドーム公演で細部を指示せず、全体の意図をスタッフに渡した結果 ・組む相手も計画も決め切らず、欲しいものに出会う余白を残す理由 ・自分が欲しくないものは売らないという、本人が語ったビジネスの哲学 ▼note記事 ミン・ヒジンは「欲しいもの」しか作らない。 https://note.com/keke_ent/n/nb9eb3e1fa65e ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
Netflix『ダウンタイム』完走レビュー 患者8人に見る「仕事」のための美容整形。感想・考察・ネタバレ
2026/09/23
「患者8人の半分は、仕事のために顔を変えた。」 Netflixシリーズ『ダウンタイム』では、患者が1人ずつ美容外科を訪れ、手術を受け、去っていきます。美容整形の闇を暴く業界ドラマに見えましたが、1話の声優志望・田中善子のエピソードから、わたしの見方が変わりました。 声の仕事なのに、顔で落とされる。顔を変えるお金を作るため、彼女はパパ活をする。痛々しい手術よりも、その構造のほうが見ていられませんでした。そこで手術の内容ではなく、患者がなぜ整形するのかを数えてみました。 公式相関図に載る患者8人のうち、4人の理由は仕事でした。声優、インフルエンサー、キッズYouTuber、東京都知事。顔が商品になる人にとって整形は体への設備投資であり、仕事を失うことは生きる場所を失うことと同じです。 一方で、尊厳のための美と、病としての美も登場します。同じ手術が投資にも、救いにも、害にもなる。今回は患者8人の理由を手がかりに、美容整形を肯定も否定もしない本作の構造と、後半で医師自身が患者になっていく仕掛けを考えます。 ▼話したこと ・声優志望の田中善子が、声の仕事のために顔を買おうとする苦しさ ・患者8人を理由で分類すると、4人が仕事、1人が尊厳、1人が病だった ・顔が商品になる人にとって、美容整形は自分の体への設備投資になる ・同じ手術が投資、救い、害に分かれ、肯定か否定かでは切れなくなる ・前半の患者の物語が、後半では親に縛られた2人の医師へ返ってくる ・『アンメット』の医療ドラマ文法と『孤狼の血』の脚本が重なる設計 ・血と名前が分かれた最終話から考える、シリーズ・ツーの始まり方 ▼note記事 Netflix『ダウンタイム』完走レビュー 患者8人に見る「生きるため」の美容整形。感想・考察・ネタバレ https://note.com/keke_ent/n/n14ab824a2756 ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
2026年の新作アニメ、原作の半分以上はWeb発。アニメ原作マップを更新。
2026/09/20
「新作アニメの原作、半分以上はWeb発でした。」 2026年に初めてアニメ化される作品は、もともとどこで生まれたのか。紙の漫画誌、漫画アプリ、小説投稿サイトなど、原作が最初に世に出た場所をたどる「アニメ原作マップ」を、秋の放送予定まで加えて更新しました。 前回の8月8日版では146作品を調べましたが、秋アニメはまだ出そろっていませんでした。そこで今回は、新たに25作品を追加。年間171作品に広げるとともに、秋開始58作品の中身も別の角度から整理しています。 更新後も、Web漫画・アプリと小説投稿サイトを合わせたWeb発は54.4%。作品が25本増えても、前回の54.1%からほぼ動きませんでした。一方、秋の58作品には新規33本と既存系25本が混在しています。 今回は、原作がどこから来たのかと、今回のアニメが新規・続編・リメイクのどの段階にあるのかを分けて見ます。分類に迷った3作品の事例も通して、いまのアニメ原作が紙とWebをどう行き来しているのかを話します。 ▼話したこと ・年間マップを146本から171本へ更新し、新たに25作品を追加 ・Web発は79本・54.1%から93本・54.4%へ、構成比はほぼ不変 ・秋開始58作品の84.5%を、漫画28本と小説21本が占める ・秋アニメは新規33本に対して、続編などの既存系が25本 ・複雑な原作経路は「最初にどこで始まったか」で分類する ・2026年9月18日時点の固定版を使い、同じ条件で変化を比較 ▼note記事 2026年の新作アニメ、原作の半分以上はWeb発。2026年アニメ原作マップを更新。 https://note.com/keke_ent/n/n0f17fb6fc1e8 ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
任天堂は11年前に「40年続くIP」の作り方を言っていた。ゼルダ40周年で見えたこと。
2026/09/18
「40年前のゼルダが、なぜいま、ここまで大きなニュースになるのか。」 2026年9月8日と9日。任天堂が、初めて2日続けてNintendo Directを配信しました。『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のSwitch 2版、実写映画、ゼルダ柄の本体、40周年コンサート、ニンテンドーミュージアム、スマホアプリ。ゼルダに触れる場所が、一気に並びました。 ニュースとしては、ここまででお腹いっぱいです。でもわたしには、ひとつ引っかかった問いが残りました。40年前に生まれたゼルダが、なぜ2026年に、ここまで大きなニュースになるのか。なぜ新作が出るたびに、ファンの期待を越え続けられるのか。 2日間を続けて見ると、これはお祝いではないとわかります。9月8日は、ゼルダという一つのIPを縦に深く掘る日。9月9日は、遊び場のほうを横に広げる日。新作もリメイクも昔のゲームも、同じ番組に並ぶ。縦と横が交わるところに、いまの任天堂の商売があります。 しかも任天堂は11年前、2015年の決算説明会でこの考え方をすでに口にしていて、2025年には一枚の図にもしていました。今回はニンダイの中身を追いながら、10年以上かけて組み立てられた「40年続くIP」の作り方を、5つの示唆に整理しました。 ▼話したこと ・2日間のニンダイで並んだもの。ゲーム、映画、ハード、スマホ、音楽、施設、グッズ ・9月8日は「縦」、9月9日は「横」。2日間が一つの発表だった理由 ・周年を「祝う日」ではなく「再入場口を増やす日」として設計するという考え方 ・岩田聡さんが2015年の決算説明会で語っていた、IPの価値の積み上げ方 ・『時のオカリナ』を選んだ理由。旧作は記録ではなく未来の商品候補になる ・実写映画で制作費の50%以上を出資。世界という市場のプロデューサーに回った ・40年続くブランドは、守るものを減らして、戻れる場所だけを残している ▼note記事 【ニンダイ2026まとめ】ゼルダ40周年で見えた、任天堂の「40年続くIP」の作り方 https://note.com/keke_ent/n/n79be75e214a8 ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
『オデュッセイア』が10倍面白くなる。「掟」で全部つながる10問10答 | 解説・考察
2026/09/14
「なぜ、見ず知らずの旅人をあそこまでもてなすのか。」 クリストファー・ノーラン監督の『オデュッセイア』を、9月10日のアイマックス先行で観てきました。上映時間は172分。観終わって2日たっても、頭のなかは映画のことでいっぱいのままです。引っかかった場面が、いくつも残っていました。 冒頭でポリュペモスが父に告げ口する、あの父は誰なのか。なぜ見ず知らずの旅人を、あんなに手厚くもてなすのか。なぜ死者を弔わないことが、あそこまで責められるのか。アテナが味方なのに、なぜほかの神には苦しめられるのか。 観終わってから原作と神話の資料を読み直したら、引っかかりのほとんどが、たったひとつの前提で説明がつきました。神々は人間と同じ世界に住んでいて、直接口を出してくる。そして、その世界には人間が守るべきルールがある。 今回は、その前提を10個にまとめました。はじめの3つで神々とルールの話を、残りの7つで、そのルールが場面にどう出てくるかを見ていきます。観る前でも観たあとでも、登場人物の判断が違って見えてくるはずです。 ▼話したこと ・クセニア。迎える側と客が互いに守る、ゼウスが見張っている約束 ・神々は旅人の姿に化けて人を見て回るから、確かめる前にもてなす ・葬られない死者は死者の国の門をくぐれない。遺体を置いていく重さ ・兄弟が姉妹と結婚している。ニョンゴが姉妹を一人で演じる理由の推測 ・アガメムノンが自分の娘イピゲネイアを生贄にした、恨みの前史 ・映画のカリュプソはハスの花で7年。原作では別だった二つの重なり ・求婚者が責められるのは、客の側からクセニアを破っているから ▼note記事 『オデュッセイア』が10倍面白くなる。「掟」で全部つながる10問10答 https://note.com/keke_ent/n/n82ea6a4d5040 ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
『オデュッセイア』の吟遊詩人をトラヴィス・スコットにした理由。クリストファー・ノーランが2,700年前の話を現代につないだやり方とは |  感想
2026/09/12
「勝った英雄が帰れない。その旅に、なぜ心が動くのか。」 9月10日、先行上映のIMAXで『オデュッセイア』を観てきました。すごくよかった。でも、観ているあいだは何度も絶望しました。まだ序盤なのに仲間が次々と倒れ、こんな相手にどうやって勝つのかと途方に暮れる。そんな苦しい旅の最後に、心からうれしくなったんです。 わたしも仕事で人を率いてきました。自分の判断についてきてくれた人に苦労をかけることもある。結果が出ても、その人が苦しんだ時間までなくなるわけではありません。その実感が、英雄オデュッセウスが死者と向き合う冥界の場面に重なりました。 木馬の作戦を考え、戦争に勝ったオデュッセウス。その勝利にも、命を落とした人の人生があります。自分の知恵で人を動かした男が、帰還にあたっては人の忠告を守る。もう帰れない人たちの言葉が、生きている家族を守る行動につながっていました。 今回は巨人兵の絶望、冥界での対話、慎重な帰還をたどり、ラストがうれしかった理由を話します。さらに、トラヴィス・スコットが物語を歌う場面から、約2700年前の叙事詩が今の映画館まで届く面白さへ。物語の展開と結末に触れるので、鑑賞後にどうぞ。 ▼話したこと ・巨人兵の場面に感じた、『進撃の巨人』にも似た圧倒的な絶望 ・木馬の作戦の犠牲者シノンと向き合い、勝利を見直す冥界の対話 ・アガメムノンの忠告を受け、身分を隠して家族を守る帰還 ・トラヴィス・スコットの歌と、物語を語り継ぐ人たちのつながり ・約2700年前の叙事詩が今の感情を動かす、IPとしての面白さ ▼note記事 人を導く者は、誰に導かれるのか。『オデュッセイア』感想 https://note.com/keke_ent/n/nbc6d76c3168f ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
『スプラトゥーン』は、なぜイカにたどり着いたのか。その軌跡から見えた「コンセプトのつくり方」。
2026/09/11
「豆腐で面白かったゲームに、なぜイカが必要だったのか?」 白い豆腐と黒いゴマ豆腐が、鼻からインクを出して陣地を奪い合う。『スプラトゥーン』の始まりは、そんな試作でした。そこからヒト型、ウサギを経て、ようやくイカにたどり着く。Xに投稿して反響があったこの開発秘話を、もう少し追いかけてみました。 わたしが面白いと思ったのは、イカというモチーフが見つかるまでの考え方です。試作の時点で、遊びには手応えがあった。それでも、キャラクターの姿を変えると、面白さを支えていた条件が崩れてしまう。この行き来に、コンセプトをつくる仕事の大事な部分が見えます。 インクを塗ると隠れられ、相手の位置を読む遊びが生まれる。ところがヒト型では姿が見え、壁を塗っても勝敗にはつながらない。ウサギには見やすさの利点があるものの、なぜインクを撃つのかは説明しにくい。それぞれの案が持つ長所だけでは、条件は揃わなかったんです。 隠れる、移動する、撃つ。その役割を整理し、イカとヒトの二つの姿に分けると、遊びと見た目がつながり始めます。任天堂の開発インタビューをもとに、豆腐からイカへの道のりをたどりながら、面白さを分解し、もう一度つなぎ直すコンセプトづくりを考えます。 ▼話したこと ・半年ほどで出した70個の案から、豆腐の対戦ゲームが残った理由 ・塗る、隠れる、相手の位置を読む動作が、試作の面白さを支えていた ・ヒト型やウサギに変えるたび、見た目の利点と遊びの問題が生まれた ・隠れる・移動する・撃つ役割を整理すると、イカを選ぶ理由がつながる ・イカとヒトへの変身が、壁を塗る意味や潜るときの演出まで結びつけた ▼note記事 『スプラトゥーン』は、なぜイカにたどり着いたのか。その軌跡から見えた「コンセプトのつくり方」。 https://note.com/keke_ent/n/nea387d1c33bc ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
holo Indie、Roblox、Fortniteから見る「二次創作によって拡張されるIP」の躍進。
2026/09/09
「ファンがつくったゲームは、どれだけ遊ばれたのか?」 好きなキャラの絵を描く。切り抜き動画をつくる。作品の設定を使って、自分でもゲームをつくってみる。ヒットしたエンタメの周りには、二次創作で遊ぶ人がいます。2026年6月時点で、holo Indieの作品は40タイトル超、累計300万ダウンロードを超えました。 ヒットの大きさを語るとき、わたしたちは興行収入や発行部数、再生数を見ます。でも、ファンが何をつくり、それがどれほど遊ばれたかは、見落としがちでした。今回は、公式作品の周りで育っている創作を、各社が公開する数字から考えてみました。 カバーは二次創作ゲームの販売を支え、Robloxはクリエイターへの還元に関わる費用を決算で公開しています。Fortniteも、プレイヤーがつくったゲームの利用時間を公表する。一方で、応募を審査する人の数や、収益の大きな偏りという課題もあります。 どこまでつくってよいかを示すガイドライン。公式の支援を受けて販売できる仕組み。そして、創作を続ける人に戻るお金。ホロライブ、Roblox、Fortniteに、初音ミクの事例も交えながら、二次創作によって広がるIPの現状をたどります。 ▼話したこと ・holo Indieの40タイトル超と300万ダウンロードが示す広がり ・個人開発の『ホロパレード』が公式の支援を受けて販売される仕組み ・Robloxの決算に載る、クリエイターへの還元に関わる費用 ・初音ミクとホロライブが、ファンにつくってよい範囲を示す方法 ・応募の審査と収益格差から考える、創作を続けられる人の数 ・Fortniteの2024年の利用時間の36.5%を占めたプレイヤー作品 ▼note記事 holo Indie、Roblox、Fortniteから見る「二次創作によって拡張されるIP」の躍進。 https://note.com/keke_ent/n/n6de556c1edd5 ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
マンガのアプリは消えるが、作る編集部は残る。
2026/09/06
「金額は増えているのに、読む場所は減っています。」 2026年の夏、電子コミック市場が伸びたという発表のすぐ後に、まんが王国の業績予想下方修正と、13年続いたcomicoの終了が伝えられました。市場規模は大きくなっているのに、読者が集まるはずのアプリは減っていく。逆向きに見える出来事が、ほぼ同じ時期に起きています。 わたしも最初は、電子マンガが縮みはじめたのだろうと考えました。しかし、2026年上半期の電子コミック市場は2,593億円で前年同期比2.5%増。数字だけを見れば、その読みは外れています。そこで売上の中身と、各社が残そうとしている機能を分けて見直しました。 見えてきたのは、市場を押し上げる割引やポイント還元の一方で、課金する読者が減っている構造です。LINEマンガの課金ユーザーは4月から6月の3か月で9.5%減少。作品を作る力と、読者を自社アプリへ集める力を、ひとつの会社で抱える前提が崩れつつあります。 今回は、comico、日本文芸社、taskeyの動きを手がかりに、マンガを作る会社と届ける会社が分かれはじめた背景を整理しました。自社アプリを畳んでも編集・制作は残る理由と、売上以外にあるアプリの役割まで、数字と具体例からたどります。 ▼話したこと ・電子コミック2,593億円の成長を支えた割引・ポイント・無料施策 ・まんが王国の利益半減とcomico終了が示す読者数の変化 ・雑誌が一体で担っていた作品制作・販売・新作発見の三機能 ・終了したアプリで購入作品と読書権が別サービスへ移る仕組み ・LINEマンガの課金額と課金ユーザー9.5%減が映す市場の実像 ・comicoが売り場を畳みながら編集・制作機能を残す理由 ・taskeyが自社アプリの読者データを作品づくりへ戻す循環 ▼note記事 マンガアプリは消えるが、作る編集部は残る。 https://note.com/keke_ent/n/ndecbdf45c45f ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
HANAを追いかけたら「歌姫」が消えた理由に気づいた。
2026/09/05
「歌姫は、どこへ行ってしまったのでしょうか。」 HANAを追いかけていると、どうしても気になってしまうことがあります。歌がうまくて、女性からの支持も厚くて、曲もファッションも話題になる。もしいまが2000年前後だったら、きっとすぐに「歌姫」と呼ばれていたはずなのに、いま、その言葉をかける人がいません。 そういえば「歌姫」という響き自体、ここ数年ほとんど耳にしていない。Billboard JAPANの2025年年間アーティストチャートでは、HANAが5位、YOASOBIが9位、ちゃんみなが10位、あいみょんが11位、Adoが19位。女性がボーカルの名前が上位に並んでいるのに、誰もその言葉を使わないのです。 歌姫に必要だったのは、歌のうまさだけではありませんでした。倖田來未さんの「エロカッコイイ」が流行語大賞で受賞したとき、受賞者の欄にあったのは言葉ではなく本人の名前。西野カナさんは同世代の気持ちを集めて代表して歌いました。その年の女性像を、丸ごと一人で背負える人のことだったのです。 HANAの実績は、すでに歌姫クラスに届いています。それでもそう呼ばれないのは、HANAの側ではなく、迎えるわたしたちが変わったからでした。今回は、歌姫という言葉が何を指していたのか、そしてなぜその条件がもう立ち上がらないのかを整理しました。 ▼話したこと ・宇多田ヒカル700万枚、浜崎あゆみと初日161万枚対決。2000年前後の歌姫の桁 ・歌姫の条件は歌のうまさではなく「その年の女性像を預かれる範囲」の広さ ・HANAの実績——「ROSE」4億回再生、紅白初出場、2026年は17都市25公演 ・紅白53.9%→35.2%、non・no実売は5年で4割減。全国一斉に見せる力の縮小 ・『No No Girls』が身長・体重・年齢を聞かなかったことの意味 ・「あの人になりたい」から「この人の、この部分が好き」へ変わった憧れ方 ・HANAは次の歌姫ではなく、歌姫がいなくていい時代の最大のスター ▼note記事 HANAを追いかけたら「歌姫」が消えた理由に気づいた。 https://note.com/keke_ent/n/n59a1220af171 ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
「SPEED」は青春そのもの。
2026/08/29
「こんな子たち、見たことがない。なのに、学校にいた気がする。」 ラブ上等2を見ながらNewJeansの記事を書き終えたあと、頭の中に戻ってきたのはSPEEDの思い出でした。1996年、日本テレビの『THE夜もヒッパレ』で、まだSPEEDという名前すらなかった4人を見ていたときの記憶です。 エンタメ業界15年、複数事業を統括してきた立場から、人が売れていく過程はいくつも見てきました。それでも、あの4人がスターになっていく順番を目撃したときの驚きだけは、いまも説明しきれずにいます。 公式サイトによれば、4人が番組で本格的に活動を始めたのは1995年10月、「SPEED」という名前がついたのは1996年1月13日でした。名前も自分たちの曲もない状態から見ていたからこそ近く感じられ、そして同じ順番は二度と再現できませんでした。 今回は、SPEEDの1335日を最年少メンバーの学年に重ねて数え直し、NewJeansとのあいだにある同じ矛盾まで整理しました。なぜ「第2のSPEED」が出てこなかったのかも話しています。 ▼話したこと ・『THE夜もヒッパレ』で見た、まだSPEEDという名前すらなかった4人 ・年間シングルTOP100の21.3%を小室ファミリーが占めた1996年の遠さ ・12歳・12歳・13歳・15歳でデビュー。近いのに曲が始まると手が届かない ・「STEADY」100万枚、『Starting Over』ダブル・ミリオンという楽曲の強さ ・1335日は、最年少・島袋寛子さんの小6の夏から中学卒業の春までと重なる ・もう一度つくれなかったのは4人ではなく、何も知らずに見ていた側の目のほう ・NewJeansと共有する矛盾。見たことがないのに、学校にいた気がする ▼note記事 ぼくらの世代は「SPEED」が青春そのものだった。 https://note.com/keke_ent/n/n9b4adf2d174b ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
13年待った。『まどか☆マギカ』新作公開までの順番が美しい。
2026/08/29
「13年待った続編の始まり方が、美しい。」 昨日2026年8月28日、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』が公開されました。13年前の『新編 叛逆の物語』の正統な続編で、シリーズ初のIMAX同時公開です。 わたしは2011年のテレビ放送時、前情報をいっさい持たずに観始め、途中の展開にまともに殴られました。それ以来の特別な作品です。新作はまだ観ていませんが、公開までの順番だけで、すでに作品らしさを感じました。 公開2週間前から『叛逆の物語』を新作と同じ287館で再上映し、終了後に新作の冒頭約5分を連続上映。過去を思い出した直後に新しい断片を渡すこの設計は、次回を1週間待つ時間まで作品体験にしたテレビシリーズと重なります。 今回は、20億円を超えた『叛逆の物語』から13年、制作発表から5年4か月という時間をたどります。主要スタッフの再集結、新しい2人の魔法少女、リバイバル上映から新作へつないだ三段階の公開順を、わたし自身の記憶と一緒に話しました。 ▼話したこと ・2011年、前情報ゼロの完全オリジナルアニメだから味わえた衝撃 ・文化庁大賞の評価と20億円超えが示した、魔法少女ものの逆転 ・主要スタッフとキャストが13年後に再集結し、梶浦由記も音楽へ復帰 ・『叛逆の物語』が残した、ほむらの愛と執着が分かれない問い ・紫丁香とセルマ・テレーゼ。2人の新魔法少女が背負う願い ・192館のリバイバル、287館の『叛逆』と5分、IMAX新作へつなぐ三段階 ・1週間という13年。待つ時間そのものを作品体験に変えた公開設計 ▼note記事 13年待った。『まどか☆マギカ』新作公開までの順番が美しい。 https://note.com/keke_ent/n/n863f08474c33 ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe
『オークストリートの異変』は、なぜ見慣れた物語なのに新しく見えるのか|感想・考察
2026/08/24
「見慣れた恐竜映画が、なぜ新しく見えたのか。」 恐竜が脱走し、普通の家族が襲われる。予告だけを見れば、『オークストリートの異変』はジュラシック・シリーズ以降に何度も見てきた物語に思えました。それなのに映画を観終えると、まったく新しいものを見た感覚が残ったんです。 わたしが気になったのは、恐竜や時間移動という題材そのものではありません。『ブラッシュアップライフ』の転生にも感じたように、新しさは「どこから何を借りて、どこに混ぜるか」という距離から生まれるのではないか、ということでした。 本作が動かすのは主人公ひとりではなく、家や庭、道路、隣人関係まで含む住宅街の日常です。能力を与える代わりに文明を奪い、恐竜を悪役にする代わりに人間を侵入者へ変える。その反転が、見慣れた材料の意味を次々にずらしていきます。 今回は、1982年の郊外映画の文法、デニースによる人生の書き直し、そして幸福なラストの外側に残るかもしれない別の一家までをたどりながら、『オークストリートの異変』が新しく見える理由を考えました。 ▼話したこと ・『ブラッシュアップライフ』との比較で考える、題材よりも借りる距離が新しさを生む構造 ・主人公ではなく家・庭・道路・隣人関係まで含む住宅街の日常を丸ごと動かす反転 ・電気・水道・通信を失うほど、断絶していたプラット家の信頼だけが戻っていく理由 ・恐竜を怪物ではなく生きた動物として描き、人間のほうを侵入者に変えた視点 ・『E.T.』や『ポルターガイスト』の1982年型郊外映画を現代から書き直す方法 ・夫を失った記憶と一本のピザ注文で、デニースが現実の結末を選び直すまで ・幸福な帰還の外側に、太古へ取り残された別のプラット家がいるかもしれない仮説 ▼note記事 『オークストリートの異変』は、なぜ見慣れた物語なのに新しく見えるのか|感想・考察 https://note.com/keke_ent/n/ncae085587aea ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe

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