
Advertise on podcast: PLENUS RICE TO BE HERE
Rating
5from
This podcast has
703 episodes
Language
JapanesePublisher
J-WAVEExplicit
No
Date created
2023/05/30
Latest episode
2026/10/22
Average duration
9 min.
Release period
2 days
Description
この番組は作家・文献学者の山口謠司が、日本の食文化を通して全国各地で育まれてきた“日本ならではの知恵”を紐解くポッドキャストです。(FMラジオ局 J-WAVE 81.3FM では毎週月曜日から木曜日 15:10〜15:20にオンエア中。) Navigator:山口謠司(http://abocavo.a.la9.jp)Sponsor:PLENUS( www.plenus.co.jp) / PLENUS 米食文化継承活動(https://kome-academy.com/)Production:E.A.U(www.eau.co.jp)
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EP. 703『@只見町 、其ノ四 - 只見のお米はいろんな命に姿を変える』
2026/10/22
只見町では、お米はご飯だけでは終わりません。焼酎やウォッカにも生まれ変わります。米焼酎のブランド名は「ねっか」。地元の方言で「全く」「全然」という意味。焼酎造りで大量に出る酒粕にはアルコールが残っているため、再び蒸留してウォッカを造ります。さらに高知県産のゆずの皮を利用した「ゆずねっかウォッカ」も生まれました。アルコールを取り除いた酒粕は肥料として田んぼに還り、次のお米を育てます。雪解け水で育ったお米が姿を変え、再び土地の恵みとなる。その背景には、地域の人々が集まり、知恵を出し合い、子供たちにも食べ物の大切さを伝える暮らしがあります。
EP. 702『@只見町 、其ノ三 - 只見のお米は奇跡です』
2026/10/21
只見町で今回宿泊したのは、只見町の前々町長、目黒さんのご自宅。目黒さんが一人で開墾したという美しい棚田を見せていただきました。木を切り、石を動かし、水路を引き、苗を植え、毎日田んぼを見守る。自然と向き合いながら米を作る農業の大変さと、食べ物に込められた深い思いを実感しました。目黒さんにとって米作りは楽しみであり、生きがいでもあるとのこと。「もし悩んだり苦しいことがあったら、ここに来て農業をやってごらん。悩みは吹き飛ぶから」と言われた言葉が心に残りました。
EP. 701『@只見町 、其ノ二 - お魚いっぱい、自然がごちそう』
2026/10/20
只見町を訪れるならぜひ只見線で。只見町には「只見線が通ったら手を振ろう」という条例があり、列車が通ると住民が家から出てきて手を振ります。只見町は「自然首都」を掲げ、水とブナの森、雪とともに暮らす町です。巨大な田子倉ダムは高さ145メートル、貯水容量約4億9千万トン。ボートでダム湖の奥へ進み、渓流で泳ぐと、水の中にはたくさんの魚やエビが生息していました。夕食は焼肉。只見町の焼肉といえばマトンです。たっぷりのサラダは地元で「じゅうねん」と呼ばれるエゴマを使ったドレッシングでいただきます。夜は都会の騒音とは無縁の静けさに包まれ、カエルの鳴き声を聞きながら、朝までぐっすり眠りました。
EP. 700『@只見町 、其ノ一 - ティータイムに芍薬、朝食には百合根』
2026/10/19
福島県の只見町は、山と川、田畑に囲まれた、どこか懐かしい町です。山道やトンネルを抜けるたびに緑が深くなって、都会の慌ただしさが少しずつ抜けていく。着くと、ふるさとに帰ってきたようにほっとするんですね。ここでは薬用の芍薬を約5年かけて育てています。根っこは漢方薬の原料に、摘んだ花は「只見の養生茶」というハーブティーになるんです。初夏には花摘みのボランティアもあるそうですよ。畑の隣にはピンク色のヒメサユリが咲いていて、翌朝にはほくほくのユリ根の煮物もいただきました。爽やかな空気を吸って、土地のお茶や食事を楽しむ。何日かゆっくり過ごすと、心も体もほぐれて、元気になれそうなところです。
EP. 699『@甲賀 、其ノ三 - かんぴょうにはあけぼの茶』
2026/10/15
日本中、霧の湧くところにはお茶があります。甲賀市土山町は、なだらかな丘陵地帯に日が当たり、鈴鹿山脈から清らかな水が流れる土地。14世紀に京都・大徳寺から茶の種が運ばれ、江戸時代には「あけぼの茶」として東海道の名物になりました。丸く刈られた茶畑を眺めながらお茶をいただくと、何かひと口頬張りたくなります。そこで、かんぴょう巻き。甲賀市水口は、かんぴょう作りで知られる土地です。夕方に花を咲かせる夕顔には、大きく丸い実がなり、それを細く薄く剥いて干したものがかんぴょうになります。甘辛く煮て海苔巻きにすれば、片手でパクッと食べられるのもいいところ。土山のお茶に、水口のかんぴょう巻き。地味だからこそ、じわっと日本の食文化のありがたさが伝わってきます。
EP. 698『@甲賀 、其ノ二 - 0.75倍速で頂く杉谷やさい』
2026/10/14
甲南町杉谷には、杉谷なすびという伝統野菜があります。丸なすの仲間、杉谷なすびは濃い紫色の皮がつやつやと光り、柔らかいのに実はぎゅっと詰まって煮崩れしにくい。焼いても揚げても、じんわりとした甘みが楽しめます。その美味しさを生むのが、粘土と砂が混じった杉谷独特の土です。最近、外国語は速く聞くより、0.75倍速ぐらいゆっくり聞くことで前後から意味を想像しやすくなるという話を聞きました。食事も同じかもしれません。甲賀の野菜をゆっくり噛んで味わえば、その風味や美味しさがもっと見えてくる。生活も少し速度を落としてみると、今まで気づかなかったものが見えてくるのかもしれません。
EP. 697『@甲賀 、其ノ一 - 兵糧丸は忍者の非常食』
2026/10/13
忍者の里、甲賀へ。山あり谷あり、田んぼや集落が点在し、曲がりくねった道を進んでは次の土地へ。歩いていると、ここはまさに忍んで暮らしを守る里だったのだと感じます。甲賀の忍者が携えていたとされるのが「兵糧丸」。米やそば粉、小麦粉などに梅干し、胡麻、蜂蜜、生姜などを混ぜ、丸薬のように固めた携帯食です。山中で情報を集める忍者にとって、人目を避けながら空腹をしのぐ大切な非常食でした。さらに喉の渇きに備えた「水渇丸」もあったといいます。現代の私たちもネットで情報を探していると、いつの間にかお腹がすいたり喉が渇いたりします。そんな時、懐から兵糧丸を取り出して、人目を忍んでパクッ。少し忍者の気分で仕事ができそうです。
EP. 696『@近江八幡 、其ノ四 - 心と身体を整える養生スープ』
2026/10/08
東京にいると、いつも何かに追われています。でも近江八幡に来ると、なんとなく心がゆったりします。五個荘の「湖香六根」でいただいたのは、琵琶湖の天然すっぽんを使った養生スープ。近江八幡生まれの店主が、自ら心身をすり減らした経験から、故郷で体にいいものを提供したいと始めたお店です。顔色を見て黒と白のスープを選ぶそう。一口いただくと、ふーっと体から力が抜け、命がつながったような気が。すっぽんと26種類の漢方を使ったちまきをいただきながら聞いたのは、東京で働いていた奥様も、この料理にほっとして滋賀へ移住したという話。忙しさの中で迷った時には、心を落ち着かせてみる。季節が変わるごとに訪れて、心と体を整えたい「養生」の料理です。
EP. 695『@近江八幡 、其ノ三 - 赤コンニャク、日牟禮八幡さま』
2026/10/07
近江八幡という町の名は、やはり八幡様と関係があります。ここに祀られているのが日牟禮八幡宮(ひむれまちまんぐう)。応神天皇が近江へ行幸した際、太陽が二つ見えたという伝承も残ります。近江八幡の食卓に欠かせないのが赤こんにゃく。鮮やかな赤色は鉄分によるもので、なぜ赤くなったのかは、織田信長が派手な赤を好んだから、安土城下に赤を好む文化があったからなど諸説あります。乾煎りした赤こんにゃくを、花かつお、みりん、醤油、唐辛子などで煮る「赤こんにゃく煮」は郷土の味。丸く切れば、まるで小さな太陽です。お皿にいくつも並べれば「日牟禮」のよう。食べれば勇気百倍、武運長久です。
EP. 694『@近江八幡 、其ノ二 - 小鮎のしあわせ』
2026/10/06
琵琶湖のアユを楽しみに近江八幡へ。炭火で焼いた大きなアユを想像していたら、出てきたのは5〜7センチほどの小アユでした。一口で食べると、モロコとはまったく違う淡く爽やかな味。琵琶湖の美味しいところだけを食べて育ったような、高貴ささえ感じます。本来アユは秋に生まれて海へ下り、春になると川を上って苔を食べながら大きくなりますが、琵琶湖の小アユは湖で一生を過ごすので小ぶりです。そこへ運ばれてきたのが、大きく焼かれた彦根のアユ。冷めないうちに」、頭からパクリ。小アユとはまた違う美味しさです。夏の終わりに、琵琶湖の小アユと大きなアユを食べ比べることができることに幸せを感じました。
EP. 693『@近江八幡 、其ノ一 - モロコ食べて、三方良し』
2026/10/05
近江八幡は、小川に鯉が泳ぎ、黄金色の田んぼや遠くの山々が広がる静かな土地。近江商人屋敷・中江純五郎邸の離れに宿泊し、近江商人の理念「三方よし」に思いを巡らせます。売り手の利益、買い手の満足に加え、地域社会や環境にも役立つ商売を大切にする考え方です。かつて琵琶湖は塩味のない「淡い海」と捉えられ、近江は「淡海(あふみ)」とも呼ばれました。その湖で育つ小さな魚・ホンモロコは、柳の根や水草、深い水、冬の寒さといった琵琶湖の豊かな自然を映すような、淡く優しい味わい。京都を訪れたら大津や近江八幡にも足を延ばし、琵琶湖の味を楽しんでほしいと結んでいます。
EP. 692『@インスタント食品 、其ノ四 - フリーズドライ お味噌汁は句読点』
2026/10/01
お味噌汁は、日本の食事における「句読点」のようなもの。ご飯やおかずの合間にひと口いただくと、そこに点や丸が入るような「間」が生まれます。今ではお湯を注ぐだけのフリーズドライも身近になりました。その原型ともいえる保存法は、南米アンデスのジャガイモにも見られます。第二次世界大戦では血液成分の保存、戦後は宇宙食へと技術が広がりました。日本では1960年代から研究を進め、1971年にはエビやネギがカップラーメンの具材に。さらに一人分の具入り味噌汁を作れないかということから、1982年にブロックタイプのフリーズドライ味噌汁が完成し、翌年には発売されました。フリーズドライは水を抜くだけでなく、時間を止める技術。お味噌汁もまた、食事の時間をほんの少し止めてくれる、日本らしい句読点なのかもしれません。
EP. 691『@インスタント食品 、其ノ三 - 俳句の温かさ、レトルトカレー』
2026/09/30
ロンドンから戻ったイギリス人の友人が、「日本のカレーが食べたくてたまらなかった」と言います。俳句を作る彼にとって、俳句は「レトルトカレーのようなもの」。どこにいても温めれば、家の味や人のぬくもりのような親しみを感じられるからだそうです。そもそも「レトルト」とは袋ではなく、加熱する容器や装置を表す言葉。1968年に発売されたボンカレーは、市販用レトルト食品として世界初でした。きっかけは、アメリカの雑誌に掲載された軍用携帯食の記事。そこに大塚グループが持っていた医療用の滅菌技術などを生かし、お湯で温めるだけのカレーが生まれました。すでに出来上がった料理に、最後に温かさを加えるレトルト食品。俳句も温めれば、季節感や親近感を誰かと分け合える。そんな味がでるのかもしれません。
EP. 690『@インスタント食品 、其ノ二 - 宇宙に飛び出すカップラーメン』
2026/09/29
インスタントカメラ、コーヒー、ラーメン。「インスタント」という言葉から、いろいろなものが浮かびます。1958年、安藤百福さんが大阪・池田の自宅裏の小屋で試行錯誤を重ね、誕生したのがチキンラーメン。当時は「魔法のラーメン」とも呼ばれました。その後アメリカで、丼の代わりに紙コップへ麺を割って入れて食べる姿を見たことが、食習慣の壁を越えるカップヌードルへとつながります。さらに挑戦は宇宙へ。2005年には野口聡一さんが国際宇宙ステーションで、一口サイズの麺と、とろみをつけたスープの「スペース・ラム」を味わいました。お湯があれば、すぐにどこでも食べられるインスタント食品。宇宙にまで飛び出した一方、災害時に私たちのお腹を満たし、次の行動を支えてくれる防災食でもあります。家庭にも、いつも備えておきたいものです。
EP. 689『@インスタント食品 、其ノ一 - 乾飯、調理時間は歌一首』
2026/09/28
現代のインスタント食品といえば、ラーメンやレトルトカレーが思い浮かびますが、その原型ともいえる食べ物は平安時代にもありました。在原業平がモデルとされる『伊勢物語』第九段では、都を離れて東国へ向かう男が、三河国の八橋で「乾飯(かれいい)」を食べようとします。乾飯は、炊いたり蒸したりした米を乾燥させ、旅に携帯した保存食。カキツバタを折句にした「唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ」を聞いた一行は、都に残した妻を思って涙を流します。その涙で乾飯がふやけたという印象的な一節から、日本人が古くから米を携え、必要な時に戻して食べていたことが分かります。いわば、昔のインスタント食品です。
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