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300 episodes
Language
JapanesePublisher
ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平Explicit
No
Date created
2013/11/15
Latest episode
2026/04/07
Average duration
22 min.
Release period
11 days
Description
WebマーケティングやWeb活用で手が止まってしまったり、悩んでいる中小・小規模事業者の皆様へ、根本的なウェブに対する考え方・捉え方をお届け。
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第590回:[現場から]中小企業がAIツール導入で失敗しないために、最初に見直す6つの判断軸
2026/04/07
Podcastを今すぐここで聞く
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
AIツールの話になると、どれを選べばいいのか、無料版で十分なのか、自動化まで一気に進めたほうがいいのか、といったご相談を本当によくいただきます。実際には、中小企業のAIツール活用は、難しいことから始めないほうがうまくいきます。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
中小企業のAIツール活用で押さえておきたいのは、
まず使ってみる
有料版で実力を見極める
真似から入って使い方を自分の仕事に寄せていく
自動化は最初はシンプルな物から
外部公開は気をつけて
ブラウザ操作は気をつけて
便利さだけを追いかけるのではなく、現場で使い続けられる形に落とし込んでいくと、AIは十分に力を発揮してくれます。
中小企業のAIツール活用は、悩む前にまず触ってみる
最初にお伝えしたいのは、悩んでいるなら使ったほうがいい、ということです。今はChatGPT、Gemini、Claude、それからGrokやCopilotのように、選択肢はいくつもあります。どれが絶対に正しいかという話ではなく、実際に触ってみないと、自分に合うかどうかは分かりません。
AIツールは、性能の高さだけで決まるものではありません。やり取りのしやすさもありますし、自分が思っていることを引き出しやすいかどうかもあります。
人と仕事をするときと同じで、相手の能力が高くても、うまく引き出せなければ成果にはつながりません。反対に、多少癖があっても、自分にとって扱いやすければ、そちらのほうが結果として役に立つこともあります。
使っているうちに、やりたいことが見えてくる
AIツールは、使い始める前より、使い始めてからのほうが可能性が見えてきます。最初は、文章を書かせる、要約させる、そのくらいしか思いつかないかもしれません。
けれど、日々触っていくと、これもできるかもしれない、あれにも使えるかもしれない、という形で仕事とのつながりが少しずつ見えてきます。
ですから、比較記事を読み続けて決めきれずにいるより、まずひとつ選んで触るほうが早いです。普段からGoogle Workspaceに寄っているならGeminiでもいいですし、まわりにChatGPTを使っている人が多いならChatGPTでもいい。
日本語での書き味が気になるならClaudeでしょうか。なんにせよ、悩んでいる時間が長いなら、まず目の前のものに三千円前後を払って試したほうが、得られるものは大きいはずです。
無料版ではなく、有料版で見ないと実力は分からない
これはかなり強くお伝えしたいのですが、無料版だけでそのツールを判断しないほうがいいです。
無料版は入口としては悪くありませんが、そのツールの持っている力や、本来の使い勝手は、どうしても見えにくくなります。無料版のまま何とかしようと頑張るより、有料版にして仕事の中で試したほうが、判断はずっと正確になります。
しかも、有料版にしていても、上位のモデルや機能を使っていないケースは珍しくありません。けれど、その差は意外と大きいです。
出力の質も、考え方の深さも、作業の進み方も変わってきます。個人で使う場合でも、可処分所得がある程度ある方であれば、有料版を使って元が取れない、ということはあまりないのではないかと思います。
年払いではなく、月額で始めたほうがよい
AIツールは変化が早いので、最初から年払いにする必要はありません。年払いのほうが安く見えることはありますが、途中で乗り換えたくなる可能性が十分にあります。実際、使っていくうちに、自分には別のツールのほうが合うと分かることはよくあります。まずは月額で始めて、合っているかを確かめながら続けるほうが安心です。
私自身、プロプランや各種APIも含めると、毎月かなりの金額をAIに使っています。ざっくり言えば、一桁上、つまり十万円以上は毎月使っていますが、それでもコストに見合わないと感じたことはありません。それだけ、きちんと使えば仕事に返ってくる余地があるということです。
最初は真似から入るほうが、中小企業のAIツール活用は進みやすい
最初から、自分で一から全部組み立てようとしないほうがいいです。SNSを見ていると、すごく複雑なことをやっているように見える投稿がたくさん流れてきます。
けれど、ああいうものは、その一つの投稿の裏に、かなりの試行錯誤や積み重ねがあります。最初から同じところを目指そうとすると、たいてい止まってしまいます。
それより、まずは真似から入るほうが自然です。同業の人が使っているやり方でもいいですし、勉強会で見た手順でもいい。まずなぞってみる。
そのうえで、ここは自分向きに変えよう、ここはうちの業務に合わせよう、と少しずつ寄せていくと、仕組みが見えてきます。そうやって初めて、自分でも作れる感覚が育っていきます。
真似ることは、手を抜くことではない
真似というと、あまりよくない印象を持たれるかもしれません。
ですが、最初の段階では、遠慮なく真似して大丈夫です。真似してみると、どこが使いやすくて、どこが使いにくいのかが分かります。その差分が、そのまま自社向けの調整ポイントになります。
AIツールは、使い方そのものが成果を左右します。だからこそ、いきなり独自流に走るより、よい型を借りて、自分の現場に合う形へ直していくほうが、ずっと前に進みやすいです。
自動化とブラウザ操作は、便利さより慎重さを先に置く
AIの話になると、自動化への期待はどうしても大きくなります。
寝ている間に何かが終わっている、ほうっておいたら作業が片付いている、そういう話は魅力的です。ただ、最初からそこを目指すと、期待したものが返ってこないことが多いです。むしろ、見た目ほど簡単ではありません。
まずは、自分が見ているところで動かすことを基本にしたほうがいいです。
別のウィンドウで作業させる程度ならまだしも、複雑な処理を一気通貫で自動化するとなると、AIのできることとできないことをかなり把握していないと厳しいです。
結果として手戻りが増え、かえって手間がかかることもあります。
自動化は、単純なものから始める
たとえば、決まったフォルダに入れたものを整理する、日報のような定型情報を整える、といった単純な作業なら、自動化の入り口としては悪くありません。
ただ、複雑な調査や、複数の判断をまたぐ業務を、最初から丸ごと任せるのはおすすめしません。そこにはかなりの試行錯誤と、自分なりのやり方が必要になります。
AIに慣れてくると、これは自動化したら楽になるな、というものが自然に見えてきます。その順番で十分です。最初から自動化を目的にしすぎると、思ったほどの成果が得られず、苦手意識だけが残りやすくなります。
ブラウザを操作させる権限は、用途を絞る
もう一つ気をつけたいのが、ブラウザを操作させる権限です。これは便利そうに見えるのですが、かなり慎重に扱ったほうがいい領域です。限定された社内ページを巡回させて情報を取る、決まった作業を補助させる、そのくらいならまだしも、何でも自由に触らせる方向へ進めるのは、今の段階ではおすすめしにくいです。
特に、ログインや入力をまたぐ操作は、想像以上に気をつける必要があります。便利さに目を奪われず、どこまで任せてよいかを細かく区切ること。ここは中小企業のAIツール活用で、かなり差がつくところだと思います。
社内情報を使うものは、外に公開しない
AIがあることで、ちょっとした社内ツールやアプリを自分で作ろうと思う方は増えています。それ自体はとてもよい流れです。
ただし、社内の情報やアクセス解析のデータ、顧客情報、認証を含むものは、安易に外へ公開しないほうがいいです。自分のレンタルサーバーに置いて、家からでも会社からでも触れるようにする、といった形は、便利さの裏に大きな怖さがあります。
本当にまずいのは、何か起きてからでは遅いことです。個人情報や認証まわりは、一度事故が起きると取り返しがつきません。
ですから、こういうものは、まず自分のマシンの中や閉じた環境で使うところまでにとどめておくほうが無難です。外に出すなら、AIに作らせたから大丈夫、ではなく、システムやセキュリティに詳しい人と一
第589回:Web活用・データ活用できない会社の原因は「個人のスキル不足」ではないかもしれない
2026/03/18
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データ活用できない会社の本当の原因は「個人のスキル不足」ではない
AIや業務効率化、さまざまなシステム活用の話題が飛び交う昨今、それらをうまく取り入れている会社と、どうにも手が出せない会社がきれいに分かれてきている印象があります。
成功事例として持ち上げられるように、スムーズに進んでいるところ、そこそこ実現できている実感があるところもある。
一方で、現場としても経営層としても「どうも活用できない」と感じている会社さんも少なくない印象です。
どちらの会社さんからもご相談をいただく中で、両者の違いや課題について考えることが増えました。そこで今回は「どうすればデータを元に動ける組織になれるのか」というテーマで、現場で感じていることをお伝えします。
「リテラシーが低い」「意識が足りない」で片付けてはいけない
データ活用というと、どうしても算数や数学的なイメージがつきまとい、うまくいかない原因を「リテラシー不足」「意識が低い」「主体性がない」といった個人の課題に集約しがちに感じます。
しかし、現場に入ってみると、そういうところ以前の課題が横たわっていることが実に多いのです。
ざっくり言えば、データをうまく使えない組織というのは、スキルがないから動けないのではなく、「データを元にして動くと損をする環境」に人々が置かれてきた結果、そうなっているケースがほとんどです。
つまり、個人の能力ではなく環境が課題のケースが多い、少なくとも原因に占める割合としては大きい。
もしこれがシンプルに個人の課題であれば、話は簡単です。
「このデータはこういうふうに読むと、こういうことが分かるんですよ」と伝えるだけで、どんどん変わっていきます。
組織として研修を行えば、翌日から少しずつデータを見てくれるようになったり、「勉強会をもう一回やりましょう」という声が自然と上がったりする。個人がボトルネックであれば、やり方をお伝えするだけでちゃんと前に進んでいく。
しかし、課題が環境にある場合は違います。
データが使えるということは分かっている。でも、それを活かせる「空気」がない。やりたいと思っていてもやれない。そういう状態が生まれているのです。
組織的な要因が疑われるサイン
では、環境に課題があるケースにはどんな特徴があるのか。
私がよく目にするのは、次のようなもの
課題提起した人が、そのまま実行責任を押し付けられる
提案すると、なぜか厳しく詰められたり「言ったからには証明してくれよ」という空気になる
一番頑張って提案してくれている人が、一番元気がない・疲れている
会議では売上などの数字は話題に出るが、対策を練る段階になると急に「勢い」や定性的な話に流れる
会議が終わって部屋を出た途端に、みんなが一斉に本音を話し始める
こうした状態にある組織では、過去にデータを根拠に動こうとした人が、ポジティブなフィードバックではなく
「そんなデータで何が分かるんだよ」「否定するなら説明責任を取れよ」と一方的に押し付けられてきた経験があることが多いのです。
結果として、今のやり方とは異なる判断軸を持ち込んだときに、それを受け入れられない体質ができあがってしまいます。
個人個人のスキルを上げたところで解決しない
そういう状況なら、個人個人のスキルを上げたところで解決しません。
むしろ、やる気やモチベーションのある人から先にやめていってしまうという深刻な事態を招きかねません。
管理者としてこの状況を変えたいのであれば、まずは組織の空気そのものを変えることが出発点です。
影響力のある立場の方ほど率先して行動し、たとえ失敗しても「うちは変わるんだ」という姿勢を見せることが重要です。
データ活用を阻む「4つの壁」
データ活用がうまくいかない原因は大きく4つに分類できると私は考えています。
壁1:能力・スキルの課題
1つ目は、シンプルに今までやってこなかったという経験値の課題です。
データの見方が分からない、解釈の仕方が分からない、そこから何ができるのか行動に結びつかない。
やったことがなければ最初うまくいかないのは当たり前のこと。実際、仕事というのは何でもやってみて覚えることの方が多いもの。
このケースであれば、雑に言えば「教えればどうにでもなります」。
むしろ現場の方々は、定性的・定量的な知識を豊富に持っています。私のような外部の人間がとやかく言うよりも、はるかに生々しく良いアウトプットを出してくれることも珍しくありません。
壁2:組織の構造と仕組みの課題
2つ目は、組織の構造に起因する課題です。
「言い出した人がやる」という暗黙のルールが存在していたり、データに基づいて誰がどう動くのかという役割分担が曖昧だったりします。やろうと思っても権限がないというケースも少なくありません。
ここでいう「権限がない」とは、会社の制度上の話だけではありません。むしろ多いのは「空気的な」権限の欠如です。
提案したことに対して「いいね、やってみなよ」というポジティブな後押しがないのはつらいです。
評価制度も、自分で発案して行動し、成果を出したことがきちんと認められる仕組みになっていない。動きたいのに、動ける心理状態に自然となれない構造が出来上がっているのです。
壁3:心理的な抵抗
3つ目は、個人の心理的な課題です。
データを活用すると、これまで「こうすればいい」と信じてきたやり方が覆される場面がどうしても出てきます。
そのとき、「否定されたくない」「今までの自分が失敗だったと思われたくない」という感情が湧き上がり、過去の判断と自分の存在価値を結びつけてしまうことがあります。
これは性格や考え方の癖に根ざす部分が大きいため、一朝一夕には解決できません。
構造の課題をきちんと整えた上で、実際に動いてもらい、それを認めるというステップを踏んでいく必要があります。
大切なのは、「今までのものを否定するためにデータを使う」のではなく、「今までの土台があった上で、さらに良くするために使えるものなんだ」というメッセージをトップの人間がしっかり発信し続けることではないかな、と思うところです。
壁4:あらさがし文化
そして4つ目、これが最も根深い課題だと感じていますが、企業文化の壁です。
とりわけ厄介なのが「あらさがし文化」です。前例絶対主義、提案が歓迎されない空気、新しいことに対してまず失敗の証拠を探そうとする姿勢。これは日本固有の課題ではなく、海外の方に話を聞いてもグローバルに見られる現象のようです。
あらさがし文化の何が致命的かといえば、何か新しいものが見えたとき、最初に「悪い点を見つけよう」「誰が責任を取るんだ」という方向にエネルギーが向かってしまうことです。
行動を起こすたびに逆方向への力が働く環境では、前に進むのは難しい。
この文化が根づいた背景には、さまざまな事情があるでしょう。
頑張ったけれど裏目に出た、うまく評価してもらえなかった、そうした経験の積み重ねが組織全体の行動様式を変えてしまったケースもあるはずです。
あらさがし文化のもとでは悪循環が
しかし結果として、あらさがし文化のもとでは以下のような悪循環が生まれます。
現場が本当の数字を出さなくなる(どうせあらさがしに使われるなら、良いデータだけ報告しておこうという心理が働く)
課題を発見しても報告したくなくなる(言わないで済むならそのほうが安全)
報告が無難な内容に終始する
失敗が「今後の糧」ではなく「減点材料」にしかならない
こうなると、データの精度という一番大事な土台が崩れ、良いことも悪いことも何も起きない「現状維持」だけが組織の行動原理になってしまいます。今あるやり方をキープしながら、ちょこちょこと微調整して何とか生き延びる。それがあらさがし文化の行き着く先です。
このような要因を見極めて対処して行くと、良い結果が出てくると思います。
補足:成功事例の「行間」を読めていますか
ここで、成功事例の読み方についても触れておきたいと思います。
最近、特に製造業の方のデータ活用事例が多く目に入ってくるのですが、表面的
第588回:その勝手ランキング・比較・○○選記事、大丈夫ですか?|Google評価とAI時代の新リスク
2026/03/06
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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、勝手ランキングや比較記事、○○選記事のようなセルフプロモート型のページが、なぜ今あらためて見直しの対象になっているのかを、現場で見えてきた変化とあわせてお伝えします。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
自社をよく見せる「前提」で作られた、セルフプロモート型の記事はリスクが高くなっています。Googleも厳しく見てくる動きが現れ始めています。
また、今は検索だけでなく、生成AIでの再参照や情報探索が一気に広がっています。そのため、法的な見られ方、そして読者の信頼まで含めて、短期的な露出より長く残るデジタルタトゥーを警戒すべきです。
自作自演的なランキング記事が少しでも話題になれば、あるいはそう言った業者に対する風当たりが強くなれば、そこに依頼しているあなたも、未来に続く営業負債を抱えてしまうかも知れません。
要点
ランキング形式そのものが問題なのではなく、独自性や一次情報のないセルフプロモート型の作り方が危うくなっています。
一時的に見つかりやすくなったとしても、見抜かれた瞬間に信頼を失いやすく、その印象は後から消しにくいです。
これからは、どこかに載ることよりも、第三者に正当に選ばれる状態をつくることの方が、はるかに企業の資産になります。
「勝手ランキング記事」とは?
もともと比較記事やランキング記事には、読者に選択肢を渡す役割がありました。それ自体は悪いことではありません。実際、丁寧に比較し、評価軸を明示し、経験をもとに書かれた記事は、読み手にとってとても役に立つものです。
ところがその中には、最初から自社を押し上げるために作られたページがあります。
おすすめ、比較、○○選といった形を取りながら、実際には読者の判断を助けるより、自社への導線づくりが主目的になっているものです。
見た目は情報提供でも、中身はPRの延長になっている。そういうページが、ここしばらく目立つようになってきました。多くの場合それは自作自演か、そう言った業者によるコンテンツ作成サービスによる記事です。
営業提案として広がっている
現場で見ていても、この手の提案は増えています。
社のクライアントに寄せられる営業をチェックしていますが、生成AIに強いという話が出回ってから一気に増えています。
後えば、特定の地域や業種について「おすすめを教えて」と生成AIに聞かれたとき、先に一覧ページを作っておけば引用されやすい、という営業文句ですね。
自社を1位に入れる、自社を10選の中に入れる、掲載されていること自体を実績のように見せる。そうした見せ方を成果として売っている提案です。
読み手の判断材料を増やしているのではなく、最初から誘導先が決まっているなら、それは比較記事の形を借りた販促に近くなります。
その違和感は、いままで以上に見抜かれやすくなっていますが、あくまで対話型AIに引用されるために作っている、コンテンツ自体を見せないようにするという点で巧妙です。
検索での評価が変わり始めている
その前提で見ておきたいのが、2025年12月のコアアップデート以降の変化です。Googleの公式記録でも、2025年12月11日から29日までコアアップデートが行われたことが確認できます。Google Search Status Dashboard
その後、2026年2月4日に公開された Google may be cracking down on self-promotional ‘best of’ listicles では、自社を上位に置くベスト記事を多く抱えたサイトで、可視性が大きく下がった事例が紹介されていました。
もちろん、これだけで世の中のすべてを断定はできません。ただ、少なくとも「こうした作り方は今後も安全資産になる」とは言いにくくなっています。
実際に見られたらマイナスだがGoogleのAImodeなどで好意的に露出できるなら差し引きプラスだという考え方が通用しなくなる可能性が高いからです。
ランキング形式そのものが悪いわけではない
念のためお伝えしたいのは、Googleが比較記事やランキング記事そのものを否定しているわけではない、ということです。
Googleの Google Search’s reviews system でも、比較やランキング形式のレビュー自体は対象に含まれています。
問題になるのは、今回話題にしたような実際に見たり使ったりした経験、独自の調査、一次情報、明確な評価軸がないまま、自社を持ち上げるために作られた薄いページです。EEAT的な文脈でもあります。
Googleは Creating Helpful, Reliable, People-First Content でも、検索順位を動かすためではなく、人の役に立つ内容を重視する姿勢を明確にしています。
ですから、守るべきなのは「ランキングという形式」ではなく、「そのページが何のために作られているか」です。そこがぶれると、長く残るページにはなりません。
見抜かれた瞬間に信頼を失う
いちばん大きいのは、順位の変化よりも先に、読者の信頼を失うことです。
私も何度も経験をしています。
例えば以前、WordPressテーマを探していて、なるほど1位はこれなのかと思って見ていたら、そのテーマを販売している会社のページだった、ということがありました。
自分で自分を1位にしているのか、と気づいた瞬間、そのページだけでなく、その会社に対する考え方・方向性まで変わってしまうんですよね。もちろん悪い方向に。
商売をしていると、法に触れないなら試してみてもよいのでは、と考えたくなる場面はあります。必死です、商売って、分かります。
ですが、今の環境では、見抜かれたときの印象の悪さが大きすぎます。
自社サイトの中でやる場合も、別ドメインのメディア風サイトを使う場合も同じです。オウンドメディア構築サービスなど。読者は思っている以上に、そこにある不自然さを見ています。
そして、その印象はその場限りで終わりません。
選ばれない理由が積み重なれば、営業にも採用にも、紹介にも静かに響いていきます。派手ではなくても、こういう傷は後からじわじわ効いてくるものです。
AI時代は、過去の見せ方まで残りやすい
もう一つ重いのは、公開した情報が後からまとめて参照されやすくなったことです。
以前よりも、過去のページ、掲載先、評判、炎上の文脈がつながって見られやすくなっています。その場しのぎの見せ方だと思って出したものが、後になって会社の姿勢そのものとして読まれてしまうことがあります。
これはAIによる情報収集がもたらしたものです。
掲載先のメディアや運営会社が問題を起こしたときも同じです。そこに載っていた企業名の一覧は、すぐに掘り返されます。
依頼した側にまで「そういう見せ方を選んだ会社なのか」という印象が返ってくるので、後からきれいに切り離せるとは考えない方がよいです。
生成AIについても、Googleではだめでも他では出るから構わない、と単純には考えにくくなっています。
Googleの AI Features and Your Website でも、AI Overviews や AI Mode のために特別な最適化が必要なわけではなく、基本のSEOと、人の役に立つ内容が前提だと案内されています。近道に見えるやり方ほど、土台が弱いまま残りやすいのです。
法律面も軽く見ない方がいい
法律面も外せません。比較広告そのものは禁止されていませんが、消費者庁の 比較広告 では、お伝えしたいことする内容が客観的に実証されていること、数値や事実を正確かつ適正に引用すること、比較の方法が公正であることが必要だと示されています。
比較すること自体より、どう比較するかが問われるということです。
また、消費者庁の No.1表示に関する実態調査報告書(概要) では、自社商品を選択肢の最上位に固定して誘導する例や、合理的な根拠に基づかない表示が問題になるとされています。ランキング記事は表現が違っても、見せ方を誤ればかなり近い構図になりやすいです。だからこそ、「みんなやっているから大丈夫」とは考えない方が安全です。
これから舵を切る方向
では何をするのか。遠回りに見えても、やることははっきりしています。第三者に正当に選ばれる状態をつくることです。
商品やサービスそのものを強くすること。 まず見直すべきなのは見せ方ではなく、中身です。紹介される理由を外側でつくるのではなく、選ばれる理由を中に積み上
第587回:AI時代のスキルアップに必須な“生の経験の蓄積”を急いで行おう
2026/02/26
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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
AI時代に伸ばすべきは、知識よりも「生の経験」
AIが社会を大きく変えていく今、スキルアップに何を選べばいいか迷うという声をよく聞きます。コミュニケーションやプログラミングなど候補は多いですが、現場でAI活用の差を見てきた私の結論は一つ、「生の経験を積み重ねること」です。
AIを使って成果を出せる人ほど、もともと自分の中に「やってきた量」があります。営業でも制作でも開発でも、泥臭く手を動かしてきた人は発想の幅が広く、AIへの指示の出し方そのものが変わります。
AIの返答の質を決める重要な要素「考えるフレーム」
AIの返答が「なんか違う」と感じるとき、多くの場合その原因は「どこからどこまで考えるか」という範囲のズレです。これはAI分野で「フレーム問題」と呼ばれる考え方に近く、AIは指示がなければいくらでも思考範囲を広げてしまいます。つまり、AIに「どこまで考えてほしいか」を明示できるかどうかが、成果の分かれ目です。
実践経験があると、AIに渡す条件が具体的になる
経験がある人はAIに対して「これも考えて」「そこは要らない」と的確に判断でき、返ってきた案の何が足りないかを言葉にして修正できます。一方、経験が浅いままふわっと「調べておいて」と頼むだけでは、返答もそれなりにしかなりません。
AIを使いこなす人ほど、最初に次の3つの条件を整理してから対話を始めています。
「前提条件」――今何が分かっていて、何が分かっていないのか
「制約条件」――やってはいけないこと、触れなくてよいこと、優先順位
「期待するゴール」――何を決めたいのか、どの粒度のアウトプットがほしいのか
この条件を頭だけで組み立てるのには限界がありますが、その領域で実際に手を動かした経験があれば「ここが落とし穴」「ここは余計」という勘所が育ち、AIの出力を現場に乗せやすくなります。
「将来AIがやるから、今はやらなくていい」は危ない考え方
AIやロボティクスの発展で代替される領域は今後も広がるでしょう。そのため「どうせなくなる仕事」と割り切り、経験を積まずにいる人が増えています。しかし私の実感では、仕事は「消える」のではなく「形が変わる」のほうが正確です。スピードが上がり作業が軽くなっても、改善・安全性・コスト見直しなど手を入れる余地は常に生まれます。形が変わった仕事の中で何をどう改善すべきか判断できるかどうかは、過去の経験量に大きく左右されます。
経験は、どんどん積みにくくなる
便利さが増すほど、「体験する機会」そのものが減っていきます。AIの効率化が進むほど、人が直接手を動かす場面は確実に減るからです。現場の温度感や細部の感覚は画面越しに見ているだけでは身につかず、あとから取り戻すことも容易ではありません。気軽に経験できる今のうちに、実際に手を動かしておくことが重要です。
体験を増やすために、今すぐできること
大げさに考える必要はありません。大切なのは「学びで終わらせず、現場で役割を持って動く」ことです。
副業として小さく受けてみる――範囲を決めて、責任を持ってやり切る
誰かの仕事を手伝わせてもらう――近くで見て、同じ手順を自分でもやってみる
ボランティアでもいいので実際の現場に触れる――「役割がある場」に入り、期待に応える
体験を積んでおくと、AIを使う場面で「何を任せ、どこを自分で見るか」の判断がしやすくなります。道具を価値に変えるのは、使う側の解像度です。
余談:法人の生き残りはまた別問題…
個人スキルの話から視野を広げると、法人側も大きく揺れています。特にメディア業界は収益モデルと専門性の両面で厳しい局面に入りつつあります。Google Discoverのように検索なしで情報が届く仕組みに加え、対話型AIが「おすすめ枠」形式で情報を届ける方向へ進んでいます。さらにMCP(外部ツールと対話型AIをつなぐ仕組み)の普及が重なると、情報の流通経路そのものが根本から変わっていきます。
現場でのAI活用は、これから一気に広がる
支援先でもAIツールを使う方は増えていますが、まだ「当たり前」とは言えない段階です。キャズム(普及の谷)を越える瞬間はいつも急にやってきます。無料版と有料版の性能差を実感する場面も増えており、個人利用であれば有料版一択です。企業の場合は情報の取り扱いも含め慎重な運用が必要ですが、ポテンシャルの差は明らかです。
AIがさらに普及する前の今こそ、実際に触れて経験を積むことが大きなアドバンテージになります。実践×AIのかけ算——これが今後を左右するポイントです。
関連リンク
ラウンドナップ・Webコンサルティング(公式サイト)
G検定とは(一般社団法人日本ディープラーニング協会)
What is the Model Context Protocol (MCP)?(Model Context Protocol)
OpenAI、ChatGPT、Sora のプライバシー設定(OpenAI)
Google Discover の概要、掲載、表示方法(Google 検索セントラル)
よくある質問
AI時代に、まず伸ばすべきスキルは何ですか?
私の答えは「生の経験」です。経験が増えるほど、AIに任せる範囲を決められますし、返ってきた案の良し悪しも判断しやすくなります。
知識を増やすより、経験を優先したほうがいい理由は何ですか?
知識はあとからでも取りに行けますが、現場の肌感覚は体験しないと身につきません。AIに指示を出すときも、経験がある人ほど前提や制約を具体的に置けます。
AIの返答がいまひとつなとき、どこを見直せばいいですか?
「どこまで考えてほしいか」という線引きを見直すのが近道です。前提条件、制約条件、ゴールを言葉にして渡すと、返答の質が変わります。
将来AIがやりそうな仕事は、今から経験しないほうがいいですか?
私は逆だと思っています。仕事が消えるというより形が変わるので、残る業務の改善や判断に経験が生きますし、今のうちに触れておくほど差がつきます。
経験を増やしたいのですが、現実的にはどう動けばいいですか?
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配信スタンド
Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892
YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAP
第586回:対話型AIから思ったようなアウトプットが出ないときに中小企業がおさえるべき「力」
2026/02/19
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
このPodcastで得られること(要点)
対話型AIを使っているのに、思い通りの結果が返ってこない。そんな悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。
そんな時、プロンプトの書き方やAIの仕組みを学ぶことも大切ですが、それ以上に差を生むのは「国語力」とも呼べる2つの能力です。
1つは、頭の中のイメージを具体的な言葉に落とし込む力。もう1つは、相手に合わせて伝え方を柔軟に変える力です。この2つを日常的に鍛えるだけで、AIのアウトプットは変わります。
AIのアウトプットに満足できない原因はどこにあるのか
AIの進化は目覚ましいものがありますが、実際に使ってみると「凡庸な結果しか返ってこない」「何を変えればいいかわからない」という声は多いです。うまくいっていない方のプロンプトを見ると、ぼんやりした指示になっていることが少なくありません。
たとえば文章の作成であれば「わかりやすいテキスト記事にして」、デザインであれば「みんなにわかりやすいA4版のものにしてください」という程度の粒度では、AIもぼんやりした結果を返すしかありません。
もっと具体的に書こうとしても何を書けばいいかわからない、あるいは書いてみたけど意図が伝わっていない——こうした壁に当たっている方は本当に多い印象です。
AIを使いこなすために必要な2つの力
AIのアウトプットを改善するアプローチは多くありますが、今回はプロンプトのテクニックやプログラミングの話から少し離れて、もっと根っこにある「2つの言語的な能力」に焦点を当てます。
G検定のようなAI関連の資格試験で体系的な知識を学ぶことも有意義ですが、現場の実感としては知識だけで大きな変化にはつながりにくい。
それよりも、AIに対して的確な指示を出し、返ってきた結果を正確に解釈し、自分の求めるものに近づけるよう対話を繰り返す力のほうが、差を生みます。
2つの力を鍛える方法
頭の中のイメージを具体的に言語化する力
まず「頭の中のもやもやを形にする力」の鍛え方です。日記や日誌を書くことが有効で、手書きでなくキーボードやスマホでも構いません。
何があって、どうなったのかを文章にまとめる積み重ねが力になります。
ただし日記は個人的な感情が入りがちで、他人に見せにくくなります。添削してもらうと伸びがまったく違うので、代わりにおすすめなのがニュースを題材にする方法です。
あるニュースの背景や意味を、なるべく具体的な粒度でまとめていく。学生時代にノートを作る感覚で取り組むと、言語化の力がぐんと伸びます。
もっと気軽にできるトレーニングもあります。
街を歩いていて「いいな」「面白いな」と感じたら、なぜそう思ったかを掘り下げ、誰かに伝えられるレベルまで具体化してメモに残す。こうした小さな積み重ねで、とっさに自分の感情や周囲の変化を言語化できるようになります。
相手に合わせて伝え方を変える力
この力を鍛えるには、何かを教える場を持つのが一番です。
社内発表会を定期的に開催し、持ち前で発表する機会を作ることをおすすめしています。生身の人間を相手に、理解度を確認しながら伝える練習は、得るものが大きいです。
ただ、小学生や高齢の方に教える機会を日常的に作るのは難しい。そこで活用したいのがAIのロールプレイ機能です。
「こういう属性の人に伝わるかチェックしたい」と設定し、AIにその人物を演じてもらう。たとえば小学校低学年の子にAIの話をわかりやすく伝えられるか、シミュレーションしてもらうだけでも効果があります。
自社のお客さまの属性に合わせて設定を変え、対話を繰り返していくと「この言い回しは伝わらない」「この切り口は響く」という発見があります。
シミュレーションの精度はモデルに依存しますが、やらないのとでは大きな差が出ます。
AIを「練習相手」として活用する
トレーニングの相手としてもAIは優秀です。自分が抽象的に考えていることをAIと一緒に解きほぐすワークもおすすめです。
わざと漠然としたことを書き、そこから具体的に落とし込むやり取りを行います。
その際のポイントは「良し悪しの判断や意見は述べず、内容を解きほぐすことだけを目的にしてください」とAIに伝えておくことです。
1日10分でも日課にすれば、3か月で伝え方はかなり変わります。実際に続けた方が以前の自分のプロンプトを振り返ると、「これでは伝わらないわけだ」と驚かれることがとても多い。自分で気づけるようになれば、あとは自然と良い方向に進みます。
土台としての語彙力と国語の基礎
もう少し根っこの部分にも触れておきます。語彙力や言葉を正しく理解しているかどうかも、AIを使いこなす上では重要です。とくに「ふわっとした」「自然な」「○○風」のような、裏に多くの情報を含んだ言葉をうまく使えると、AIに渡せる情報量がまるで変わります。
たとえば画像生成AIで「ゴッホ風」と指示するだけで、ゴッホ独特のタッチや時代背景を反映した画像が出てきます。
わずか数文字に膨大な情報が圧縮されているわけです。文章でも「○○風」「これを目的として」といった抽象的な指示を適切に使い分けるだけで、結果は大きく変わります。基礎的な国語力——誤解のない文章の作り方や表現の引き出しの多さが、じわじわと大きな差になるのです。
私自身、20年前はデザイナーとして働いており、文章添削塾では10点中2点を取るような状態でした。そこからブログの執筆や発表、資料作成を続けるうちに大きく向上しました。国語力はいくつになっても伸ばせます。
中小企業こそ、一人ひとりのAI活用力を高める意味がある
中小企業は人手が限られるからこそ、一人ひとりの生産性向上が不可欠です。そのための道具として今もっとも可能性があるのがAIです。
全員がAIをうまく使える会社を目指せば、さまざまな課題が間接的に解決へ向かいます。
こうした力を身につけておくと、新しいAIツールやサービスが次々と登場しても振り回されなくなります。どのツールを使うかより、自分がどう使うかのほうがはるかに重要です。その確信が生まれると、AIに関するニュースに追い立てられる感覚も薄れていきます。
今回ご紹介した練習は1日5〜10分からで構いません。3か月、半年、1年と積み重ねれば、振り返ったときに驚くほどの変化を感じられるはずです。
もしAIの活用について、自社ではどのように進めればよいか相談したい、プロンプトを含めたアドバイスがほしいということがあれば、顧問サービスをはじめ各種サービスをご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
関連リンク
G検定とは|一般社団法人日本ディープラーニング協会
中小企業のDXに役立つ「手引き」と「AI導入ガイドブック」を取りまとめました|経済産業省
一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)
よくある質問
AIのアウトプット品質を上げるには、プログラミングやシステムの知識が必要ですか?
必ずしも必要ではありません。それよりも、自分の頭の中のイメージを具体的に言葉にする力と、相手に合わせて伝え方を変える力の2つが、アウトプットの質に直結します。営業職やカスタマーサポートの方が、きちんとコツをお伝えするとAIを上手に使いこなすケースは珍しくありません。
言語化力を鍛えるには、具体的に何をすればよいですか?
ニュースを題材にして、その背景や意味を具体的にまとめるトレーニングがおすすめです。また、街で何かを見て「いいな」と感じたとき、なぜそう思ったかを掘り下げてメモする習慣も効果があります。誰かに添削してもらえると、さらに伸びが早くなります。
AIをトレーニングの相手として使うことはできますか?
はい、AIのロールプレイ機能を使えば、さまざまな属性の相手を想定した伝え方の練習が可能です。また、自分の抽象的な思考をAIと一緒に言葉に落としていくワークも有効です。1日10分の継続で、3か月後には明らかな変化を実感できるでしょう。
国語力は大人になってからでも伸ばせるのですか?
はい、いくつからでも伸ばすことができます。この記事の筆者も、20年前はデザイナーとして文章添削で10点中2点を取る状態でしたが、ブログ
第585回:Gmail×AIで「メール営業の負債が露わになる」時代に…今すぐ対応すべき事とは
2026/02/05
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
AIとメールが結びつくことで、過去のメール営業や日々のやりとりが、あとからまとめて掘り返される時代に入っています。人間が忘れていた履歴まで参照される前提で、メールを「負債」にしない書き方と運用を心がけることが必要です。今回はそんな内容です。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
AIが人間の見落としや忘却まで拾い、過去のメール履歴を掘り返す流れを押さえます。
過去の営業メールや対応メールが、将来の意思決定で重い参照データになり、マーケティングの負債が一気に襲いかかる構図を整理します。
今日からできる文面の整え方と、99%へのケアの考え方を、実際の現場に落とし込みます。
AIが、人間の見落としまで掘り返すようになる
2026年1月にGoogleが「Personal Intelligence」を発表しました。GeminiにGoogleアプリを接続し、過去のGmail、Googleフォト、YouTube、検索などの情報をもとに回答を生成する、という方向性です。
ここで大事なのは、単に「便利な機能が増えた」という話ではありません。人間が忘れていたやりとり、見逃していた履歴、細部の情報まで、AIが平然と拾い直して、将来の判断材料として差し出してくるようになる、ということです。
過去の営業メールややりとりメールが、意思決定の参照データとして重くなる
メール自体は、もともと特に距離のある相手とのやりとりそして、意思決定の為に大きな役割を果たしていました。チャットツールが出てきてもここは代替されていませんね。
今回の話は「メールが意思決定に使われるようになった」という話ではなく、意思決定に使われるメールが、AIによって深く、広く、容赦なく参照されるようになる、という話です。
いちばん分かりやすいのは、問い合わせフォーム営業のメールです。
迷惑な営業メールは山ほど来ますが、私たちは多くを無視して、会社名や担当者名も細かくは覚えていません。そのため、そこまで私たちの意思決定に大きな影響はありませんでした。
ところが…AIは忘れません。新しく営業が来て「ちょっと検討してみようかな」と思った瞬間に、過去の履歴をまとめて突きつけて「過去にこんなことがあった会社ですが良いですか?」とくる可能性があるわけです。
見えていなかった履歴が、判断の前に並べられる
たとえばAIがGmailに接続されている状態で、ある会社から提案が届いたとします。そこでAIが「同じ社名から過去に何年何月に何通、こういう内容のメールが届いている」と整理して出してきたら、どうでしょうか。
これまではスルーされ、気づかれず、忘れ去られたからこそ表に出なかった雑な営業、雑な一斉配信、雑な対応が、後になって“判断材料”として再登場するわけです。
外部情報とつながると、評価の速度が上がる
さらに、過去のやりとりをベースに外部情報へつながっていく流れもあります。
過去のメール履歴を足がかりに、ウェブ上の情報まで合わせて「この会社はこういうことをしていて、評判としてはこういう話がある」と掘り起こす方向に進むのは、私は確実だと思っています。
そうなると、「当時の担当者が違う」「昔の話だ」という言い訳は通用しません。企業とのやりとり一つひとつが、良くも悪くも、将来まで残り続けます。
マーケティングの負債が、一気に顕在化する
技術の世界には「技術的負債」という言葉があります。
とりあえず動かすために雑に実装したものが、後の運用や改修で首を絞めてくる、あの感覚です。これと同じことが、メール営業にも起きます。
未承諾の一斉配信、フォーム営業、雑な問い合わせ営業、言葉足らずな返信、途中でのトラブル、社内向けの愚痴っぽい返信――そういった履歴がメールボックスに残ったままと、将来の意思決定にマイナスに使われる可能性が十分にあります。
99%へのケアが、未来の売上を守る
しかも厄介なのは、取り返しのつかない過去の分まで、まとめて対象になることです。
営業やダイレクトメールは「100件中1件当たればいい」「1000件中数件で十分」という発想になりがちです。
私は以前から、当たらなかった側へのケアを軽く扱うと、後からまとめて跳ね返ってくる、と繰り返し話してきました。
マッチしなかったときに、嫌がられる形で終わらせないことが肝心です。
「今回は見送り」という結論でも、相手の時間を尊重し、やりとりの最後をニュートラルに閉じる。これだけで、後々の印象は変わります。
取り返しはつかない。負債ではなく資産を築く
アプリ接続を許可すれば、Gmailに届いている過去のメールがすべて参照対象になります。
私自身、GmailでGeminiを使って、過去に買ったエアコンの型番を探したり、明細をまとめて拾わせたり、会社名で過去のやりとりを洗ったりしたことがあります。
そのように、誰でも簡単にできるようになったとき、雑なマーケティングを積み上げてきた会社ほど、過去が重くのしかかります。
場合によっては、会社名を変えて出直すくらいの話にまで発展しかねない。
そこまで行くと別の論点も絡みますが、いずれにしても「過去は戻せない」ことだけは動きません。
明日からの実際の現場:メールを信頼の構築の場と考える
営業電話にはトークの練習やトークスクリプトがあります。テレアポ全盛の時代があったからです。
ところがメールは、ひな形はあっても、そこから先の口調や流れが個人任せになりやすい。なので、ここが抜けている事は少なくありません。
メールを「その場の返事」ではなく「将来に読まれる文書」として扱うべきだと思っています。強い言い回しで押し切るのではなく、きちんと対応することを優先する。そのうえで、AIに要約されても誤解されにくいように、やりとり自体を構造化しておく。
テンプレートを整えるだけで終わらせず、カスタマイズ後の口調と流れまで統一
質問に答えるだけで切らず、相手が次に必要とする情報や手順まで、文面として残す
トラブルが起きたときは、フォローアップをきちんと文章で残し、社内向けの返信も含めて荒れない運用に。
今後もメールは、距離のある相手とつながる“ちょうどいい媒体”
チャットツールが普及しても、距離のある相手とのやりとりは、結局メールが中心です。Slack、Discord、Microsoft Teamsのようなツールは、すでに関係性ができている相手やプロジェクト内でこそ力を発揮しますが、距離のある相手との入口に混ぜたくありません。
メールは記録として残り、程よい距離感を保てます。だからこそ、これからは「書きっぱなし」「送りっぱなし」が通用しません。AIが掘り返し、要約し、意思決定の材料として並べる前提で、今日から整えていきましょう。
AIによって、考えなければいけないことは増えました。それでも、やることはシンプルです。メールを雑に扱わない。負債ではなく資産として積み上げる。その切り替えができるかどうかが、これからの差になります。
もし「どこから手をつければいいか分からない」「自社のメール運用を点検したい」といった悩みがあれば、外部の専門家としてサポート致しますのでお声がけください。
関連リンク
Personal Intelligence: Connecting Gemini to Google apps
Google AI Pro & Ultra — get access to Gemini & more
Google AI Plans with Cloud Storage
Create rules to filter your emails – Gmail Help
Apps in ChatGPT | OpenAI Help Center
FAQ
Personal Intelligenceとは何ですか?
GeminiにGoogleアプリを接続し、GmailやGoogleフォトなどの過去データをもとに回答を生成できるようにする取り組みです。ユーザーが接続を許可した範囲の情報が、提案や判断材料として使われます。
なぜ過去の営業メールが、後から問題になりますか?
人間は忘れますが、AIは忘れません。過去の営業メールや対応履歴が整理され、将来の検討タイミングで一気に参照されると、当時の雑さがそのまま判断に影響します。
「マーケティングの負債」とは何を指していますか?
雑な一斉配信や言葉足らずな返信など、当時は流されていたやりとりが、後になって企業イメージを傷つける形で効いてくる状態です。メールボックスに残る履歴が、将来の足を引っ張ります。
「99%へのケア」とは、具体的に何をすればいいですか?
マッチしなかった相手に悪印
第584回:Webサイト制作の民主化がより進むAI時代、中小企業が伸ばすべき領域はどこか?
2026/01/25
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
Webサイトの反応が落ちている…と感じるときどうすればよいでしょうか?
今回おさえて頂きたい観点は良い点と悪い点の順番。
具体的には、商品やサービスの「良い点」を先に積み上げるよりも、まず比較検討の場で最初に確認される条件を先に示したほうが、読み手の不安が下がり、最後まで読まれやすくなるということ。
伝える情報の順番を変えるだけで、問い合わせや商談の質が変わるんです。
「上から順に読む」よりも、「譲れない条件を探す」視線でページが見られている
価格や条件、必要な作業量などを先に示すと、疑いながら読まれにくくなる
顧客インタビューの取り方と、サイト・営業トークへの反映ポイントが整理できる
反応が落ちたときに見直したいのは「打ち出しの内容」だけではない
最近、物が売れにくくなっていると感じていませんか?。BtoBでもBtoCでも、これまで成果が出ていた施策が、同じようには成果につながらないことが増えていると感じます。
例えば、チラシの見せ方を変えても反応が鈍い、Webでも自分たちの訴求がうまく伝わっていない気がする、問い合わせで聞かれるポイントが以前と変わってきた。こうした変化があるときは、要因をいくつも検討する必要がありますが、今回はその中でも「比較検討の情報をどんな順番で出すか」に絞ってお話しします。
「良い点を先に並べる」だけでは、読み手の心は開かない
昔ながらのセールスやページ作成の流れは、まず魅力をたくさん並べ、読み手の興味を高めてから、価格や手間のような“引っかかり”を後ろに置く形でした。
広告のランディングページ(広告から遷移して最初に見る販売ページ)などは、まさにこの構造が多いですよね。
ところが今は、読み手の気持ちの持ち方が変わっています。
大きな成功よりも、失敗や無駄を避けたい。時間もお金も、余計に使いたくない。
その感覚が、タイムパフォーマンス(時間対効果)やコストパフォーマンス(費用対効果)といった言葉にも表れています。
ページは「ザッピング」ではなく「欲しいもの以外を見ていない」
販売ページや紹介ページは、上から順番に丁寧に読まれているとは限りません。
ヒートマップ(ページ上の行動を可視化する分析)やマウストラッキングを見ると、素早く下まで視線が動いていることがあります。
ここで大事なのは、単に“流し見”されているのではなく、読み手が必要な情報を探しているという点です。特に、比較検討でまず探されるのは「自分の譲れない条件」を満たすかどうかです。
先に示したほうがよい「譲れない条件」の例
読み手が最初に確認したいのは、たとえば次のような情報です。ここを先に出してあげるだけで、読み進められ方が変わります。
価格帯、料金の考え方、支払い方法
購入形態(サブスクリプション(定額課金)かどうか、契約の縛りの有無など)
導入後に必要な作業量(どれくらい工数を割く必要があるか)
社内説明の必要性(周囲に説明が必要になる場面があるか)
知りたい情報がまだ把握できてない状態は、何を言っても無駄
読み手にとって気持ちが悪いのは、「最低条件を満たすかどうか分からない」状態です。ここが曖昧だと、ページ全体を疑いながら読むことになり、良い点まで素直に受け取りにくくなります。
反対に、できるならできる、できないならできない、と最初に整理されると、人は冷静になります。
そのうえで「条件は少し厳しいけれど、内容は気になるから読んでみよう」と、心を少し開きながら読み進めてくれることが増えます。
後出し条件は「早く言ってよ…」に
良い点を読ませたあとで、「実は高い」「実は導入後にかなり頑張る必要がある」と分かると、売り手が悪いことをしたわけではなくても、読み手の心にはがっかりが残ります。すると、「それを先に書いてほしかった」という感情が出やすいんですね。
この感情が残ると、買わないだけでは終わりません。紹介されなくなったり、場合によっては「なんとなく印象がよくなかった」と伝わってしまったりします。だからこそ、足切りになり得る情報は、隠すのではなく、自然な形で先に提示しておくほうが、長い目で見て損をしにくくなります。
「できません」を並べろ…ということではありません
誤解してほしくないのは、最初から否定的なことを並べる必要はない、という点です。「これはできません」「あれもできません」と書くのではなく、「価格はこうです」「契約はこうです」「この作業が必要です」と、条件として落ち着いて書けば十分です。
さらに、「こういう人に向いている」「こういう人は別の選択肢のほうが合うかもしれない」と書けると、かえって反応が上がることがあります。良い点だけが並ぶページは、いまは逆に疑われやすいからです。
慎重さが先行する時代、先に不安を解消することが必須
値上がりが続き、買い物に慎重な空気が強くなっています。たとえばデロイトの調査(2025 Deloitte Holiday Retail Survey)では、ホリデー品の値上がりを予測する人が77%、来年は景気が悪化すると見ている人が57%という数字が出ています。
またPwCの調査(Holiday Outlook 2025)では、今後6か月で支出を抑える必要があると考える人が84%という結果も出ています。こういう空気の中では、読み手が最初に確認したい情報を先に示し、納得した人だけが続きを読む設計のほうが、結果として成約に近づきやすくなります。
インタビューして、サイトと営業トークに反映
実際の現場としておすすめしたいのは、顧客インタビューです。売れにくさを感じたときほど、「何が良かったか」だけでなく、何が不安だったかを丁寧に拾ってください。
たとえば、「最初にどこが気になりましたか」「良い点以外で、迷ったところはどこでしたか」「社内で説明が必要でしたか」「導入後にどんな手間を想像しましたか」。こうした声を集めて、サイトの構成や、営業トークの台本に反映していくと、改善が積み上がりやすくなります。
関連リンク
2025 Deloitte Holiday Retail Survey
Holiday Outlook 2025
The Buy Now, Pay Later Market
Heatmaps – Hotjar Documentation
よくある質問
価格や契約条件は、どの位置に置くのがよいですか?
比較検討で最初に確認されやすいので、ページの早い段階に置くのがおすすめです。条件が見えると不安が下がり、良い点も落ち着いて読まれやすくなります。
「譲れない条件」として、まず書くべき情報は何ですか?
価格帯、購入形態(サブスクリプションかどうか)、契約の縛り、導入後に必要な作業量などです。読み手が「検討する価値があるか」を判断する材料を先に揃えます。
マイナスに見える情報を先に出すと、売れにくくなりませんか?
隠すよりも、条件として落ち着いて示したほうが不信感を生みにくくなります。最初に納得した人が読み進める設計にすると、結果として問い合わせの質が上がります。
ヒートマップやマウストラッキングは、何を見るとよいですか?
上から順に読まれているかではなく、条件情報が探されているかを見ます。価格や条件の近くで視線が止まるのか、行き来しているのかを確認すると、配置の改善点が見えます。
顧客インタビューでは、どんな質問をすると改善につながりますか?
「最初に気にした点」「迷った点」「不安だった点」「社内説明が必要だったか」「導入後の手間をどう想像したか」などを聞きます。その言葉をサイトと営業トークに反映すると、訴求の順番が整っていきます。
{ "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [ { "@type": "Question", "name": "価格や契約条件は、どの位置に置くのがよいですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "比較検討で最初に確認されやすいので、ページの早い段階に置くのがおすすめです。条件が見えると不安が下がり、良い点も落ち着いて読まれやすくなります。" } }, { "@type": "Question", "name": "「譲れない条件」として、まず書くべき情報は何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "価格帯、購入形態(サブスクリプションかどうか)、契約の縛り、導入後に必要な作業量などです。読み手が「検討
第583回:タイパ重視のユーザーに対してやるべき事は?|良いことばかり書いても売れない時代のWeb戦略
2026/01/22
この記事で得られること(要点)
次の3点です。いずれも「何を書くか」ではなく、「どの順番で伝えるか」を見直すための視点です。
今の消費者が、商品・サービス選びの初期段階で何を確認しているのか(足切り条件)が分かる
メリットを先に並べるだけでは生まれやすい違和感と、その回避方法が分かる
販売ページや営業トーク(トークスクリプト)に、どう落とし込めばいいかの考え方が分かる
今回のテーマ:比較検討情報は「何から」出すべきか
今回のテーマは、比較検討に必要な情報をどの順番で提示するかです。言い換えると、「まず魅力を伝えるのか」「先に不安や条件を整理するのか」という話になります。この順番を見直すだけで、反応が大きく変わるケースが増えています。
なぜ今、「売れづらい」と感じるのか
率直に言って、今は物が売れづらくなっていると感じる場面が多いのではないでしょうか。これはB2B(企業間取引)でもB2C(一般消費者向け)でも共通です。これまで効果があった施策が、ここ数年で効きづらくなっていると感じている方も少なくないはずです。
たとえば、同じチラシの打ち出しでも反応が鈍くなったり、Web上でも「今の訴求が本当に届いているのか分からない」と感じたりすることがないでしょうか?問い合わせの際に聞かれるポイントが変わってきた、という変化を感じているケースもあるでしょう。要因はさまざまですが、今回はその中でも「情報の出し順」に焦点を当てて考えていきます。
従来の定石は「メリットを積む→最後に条件」だった
これまで一般的だったのは、まず「魅力的な情報」をしっかり伝えて興味を高め、その後で価格や制約などに触れる流れ。広告用のLP(ランディングページ)は特に、この構造になりやすいですし、商品紹介ページでも似た形が多いと思います。
この考え方は、良い点を十分に伝えれば、多少のハードル(価格が高い、導入が大変など)があっても納得してもらえる、という前提に立っています。ただ、この順番自体が、今の消費者心理と少しずつズレてきていると感じています。その背景にあるのが、「できれば選びたくない」という感覚。
今の消費者は「できれば選びたくない」
今の消費者は、不安を強く感じやすい傾向があります。大きな成果を狙うよりも、「失敗しないこと」を優先したいという気持ちが前に出やすくなっています。無駄な時間を使いたくない、余計な思考や出費を増やしたくない、という感覚です。
この意識は、タイパ(タイムパフォーマンス)やコスパ(コストパフォーマンス)といった言葉にも表れています。突き詰めると、「ムダを避けたい」「判断にかかるコストを下げたい」という発想です。そのため、メリットを読む前に「自分の条件に合っているか」をまず確認しようとします。
「選ぶため」ではなく「検討対象から外すため」にまず比較検討する
商品やサービスを比較検討する際、お客さんは必ずしも上から順に丁寧に読んでいるわけではありません。まずは自分の中で譲れない条件を探し、検討対象から外すための判断をしています。その条件がクリアできて初めて、「検討する価値がある」と感じてもらえます。
たとえば、お客さんが早い段階で確認したい条件の例は、次のようなものでしょうか?まず確認しておきたいことと言う観点で。
金額はどれくらいか(この範囲に収めたい、という基準)
購入形態や縛りはどうか(サブスクは避けたい、契約期間の縛りがあるかなど)
導入後に必要な工数はどれくらいか(工数を割きたくない、考えることを増やしたくない)
社内外への説明コストはどうか(選んだ理由を細かく説明する必要があるか)
ページは上から順に読まれない:ザッピングの正体
ページを見るとき、多くの読者は全体をざっと確認します。一見するとざっと見ているだけで「ちゃんと読んでいない」ように見えます。ザッピングですね。しかし経験上、これは実際には必要な情報を探しているケース多いと思います。ページの中からまず確認しておきたい前提条件の部分を探しているわけです。
ヒートマップやマウストラッキングを見ると、勢いよく下までスクロールしている人がいます。流し見に見えても、本人は「譲れない条件」に関する情報を探しています。条件が分からない状態が続くと、不安になり、疑いながら読み進めてしまうのです。
後出しは「早く言ってくれよ」を生む
条件がページの後半にまとめて出てくる構造は、悪いユーザー体験になりやすいです。なぜなら、良い点を読んで期待が高まった後に、価格や制約、必要な工数が出てくると、「思っていたより高い」「そこまで手間がかかるのか」と感じがちだから。売り手に悪意がなくても、読み手はがっかりしてしまうんですよね。
その結果、「それなら最初に教えてほしかった」と感じます。これがよくない。
このがっかりは、購入を見送るだけで終わりません。本来であれば他の人に紹介してくれる可能性があった商品やサービスでも、紹介されにくくなります。場合によっては、良くない印象だけが残ってしまうことも。
先に条件を見せると、読んでもらえる人が増える
なので今の時代はむしろ「足切りになりやすい条件を先に、自然な形で提示」しましょう。「価格はこのくらいです」「こういう条件があります」「こういう作業が必要になります」と事実を整理して伝えるだけで十分です。大切なのは、読者が探し回らなくても判断できる状態をつくることです。
また、条件が分かると、人は意外と落ち着いて検討できます。条件が完全に一致しなくても、「この条件なら一度読んでみよう」と、心を少し開いて読み進めてくれる事も多いです。その結果、一定の割合で「多少条件は厳しいけれど、価値がある」と判断して選ばれるケースも出てきますので、拾えることもある。
いちばん避けたいのは「メリットだけでごり押し」
最も避けたいのは、都合の悪い情報を伏せたまま、良い点だけを並べて押し切ろうとする形です。これは、今の消費者が特に嫌がりやすいパターンだと感じています。だからこそ、条件を先に示し、納得した人が続きを読む流れが、現在の現実的な定石になりつつあります。
不安が強い時代ほど、「最初に判断材料」がほしい
値上がりが続く中で、消費行動はどうしても慎重になります。Deloitteが公表している「2025 Holiday Retail Survey」では、ホリデー商品の値上がりを予測する人が77%、翌年は景気が悪化すると見ている人が57%という数字が紹介されていました。こうした空気感が強いほど、最初の判断材料を先に示すことの効果は高まります。
2025 Deloitte Holiday Retail Survey | Deloitte Insights
同様に、PwCの「Holiday Outlook 2025」でも、今後6ヶ月で支出を抑える必要があると考える人が84%という調査結果が紹介されています。購入に慎重な人が増えるほど、「検討のムダ」を避ける動きが強くなり、情報の出し順がより重要になります。
Holiday Outlook 2025 | PwC
また、バイナウ・ペイ・レイター(BNPL:Buy Now, Pay Later)の市場が伸びている点も示唆的です。社会的な議論はありますが、考え方・方向性を変えれば「多少予算を超えても、納得すれば買う人がいる」ということでもあります。だからこそ、最初に必要な情報を整理したうえで、評価・検討してもらう設計が欠かせません。
The Buy Now, Pay Later Market | Consumer Financial Protection Bureau
情報の並べ方を整理する
ここまでの話を整理します。ポイントは「メリットを削ること」ではありません。「条件を前に出し、安心して読み進められる状態をつくる」ことです。情報の順番ひとつで、読み手の受け取り方は大きく変わるからです。
並べ方
読み手の状態
起きやすいこと
メリットを先に出し、足切り条件は後半
条件が分からず疑いながら読む
後出しでがっかりしやすい
先に条件を示し、その後でメリット
判断材料が揃い、落ち着いて読める
「読む価値がある」と感じてもらいやすい
条件を隠し、メリットだけでごり押し
不信感が強まりやすい
今の消費者に敬遠されやすい
実際の現場での見直しポイント:ページと営業トークに落とす
商品紹介ページでも、サービス紹介ページでも基本は同じです。
キャッチ
第582回:SHORT動画まとめ回「SEOでの集客がメインのWebサイトでは「お客さまロールプレイ」が効果大です」など
2026/01/04
皆さんこんにちは、ラウンドナップウェブコンサルティングの中山です。本日も「会社と経営者を強くする実践ウェブ活用ポッドキャスト」を始めていきたいと思います。ぜひとも最後までお聞きいただければと思います。
今回は、YouTubeショートなどで配信している2分前後の動画のまとめ回です。各回の始めに内容のタイトルを流し、それぞれ1分から3分程度お話ししております。YouTubeショート、Facebookのリール、Instagram、TikTok、stand.fmなどで毎日リアルタイム配信も行っておりますので、隙間時間の活用として、ぜひそちらも合わせてチェックしてみてください。
ショート動画など配信先
Youtubeショート:https://www.youtube.com/@Web-Consulting/shorts
Instagram:https://www.instagram.com/roundupconsulting/reels/
TikTok:https://www.tiktok.com/@roundup_web
StandFM(音声のみ):https://stand.fm/channels/620ddacbeb302d8b48c746c9
話題1:SEOでの集客には「お客様ロールプレイ」が効果大
検索エンジンからの集客を重視する場合、まず行っていただきたいのが「お客様ロールプレイ」です。これは、お客様が検索しそうなキーワードを使って、皆さん自身が実際に検索を行い、どのような結果が出るかを確認する作業のことです。
単なる競合調査と思われるかもしれませんが、それ以上に重要なのはGoogleの検索結果の変化を確認することです。現在、検索結果にはショッピング枠や地図などが大きく表示されるようになり、キーワードによって表示内容は大きく異なります。
Googleは検索キーワードに応じて最適な表示を常に変化させています。そのため、定期的にお客様の視点で検索画面をチェックすることが重要です。検索結果はパーソナライズされるため、必ずシークレットモードなどで確認することをお勧めします。「なぜか検索流入が減った」といった原因も、このロールプレイで判明することが多々あります。
話題2:画像検索SEOの優先度はどれくらい重要視すべきか
「画像検索SEOは重要ですか?」という質問をよく受けます。一般的には重要だと言われることもありますが、現場の実感としては、積極的にリソースを割くほどの優先度ではないと考えています。
アパレルやECサイトにおいては確かに重要ですが、それ以外の業種で画像検索経由の流入が購入につながるケースは稀です。画像が表示されたとしても、ユーザーは慣れているサイトで購入する傾向があります。
サイト全体の評価向上などの副次的効果はあるものの、ビジネスへのインパクトは限定的です。画像検索SEOにこだわるよりも、他の施策にリソースを集中させた方が良いでしょう。
話題3:未経験でもWebマーケティングの仕事へ転職できるか
未経験からWebマーケティング職へ就けるかどうかは、「未経験」の中身によります。もし社会人経験や対人業務の経験が全くない場合は、非常に厳しいと言わざるを得ません。
マーケティングは広い意味での「客商売」です。個人のアフィリエイトのように誰とも会わずに完結するイメージがあるかもしれませんが、企業のWebマーケティングは、マネジメントやセールスの経験が求められます。
逆に、営業や接客、マネジメントの実際の現場経験があれば、Webの知識が未経験でも十分に可能性があります。ビジネスの基礎があれば、Webの知識は後から習得できるからです。
未経験から目指す場合のアプローチとしては以下が考えられます。
接客や営業経験を強みとして、キャリアパスを作る
自分でWebサイトを立ち上げ、実際に集客や販売を行って実際の現場経験を作る
話題4:Webマーケティング系の資格は意味があるのか
資格の有用性は「意味」をどう捉えるかによって変わります。
案件獲得や転職のアピールとして:あまり意味はありません。多くのクライアントはWeb系の民間資格を知らないため、判断基準になりにくいからです。
自分自身のスキルアップとして:大きな意味があります。現在の現場では、特定の専門知識だけでなく、幅広く対応できるジェネラリストが求められています。
資格勉強は、普段触れない領域の知識を強制的に学ぶ良い機会となります。自分の対応領域を広げ、結果としてクライアントへの提案力を高めるために活用するのが良いでしょう。
話題5:Web集客においてアクセス解析データを見てはいけない時
デジタルマーケティングではデータ分析が重要視されますが、アクセス数が月間4桁程度の中小企業サイトの場合、統計的に有意なデータを得ることは困難です。
データが少ない段階では、アクセス解析に時間をかけるよりも、実際のお客様へのヒアリングを重視してください。具体的には以下の3点を聞くことをお勧めします。
タイミング:いつ検討を始め、いつ決定したのか
判断基準:親しみやすさ、納期、価格など、何を軸に選んだのか
比較対象:競合他社だけでなく、「自分でやる」「何もしない」という選択肢も含める
これらをヒアリングした上で、自社サイトがそれに応える構成になっているかを確認することで、自然と反響が得られるようになります。
話題6:会議の生産性が下がるAI議事録の特徴
AIによる議事録作成ツールは非常に便利ですが、後で見返した時に「要領を得ない」「分かりにくい」と感じることはありませんか。
その原因の多くは、AIの性能ではなく、人間側の話し方にあります。社内の略語、指示語(あれ、それ)、文脈依存の曖昧な表現を多用すると、AIは正確に記録できません。
AI議事録を導入する場合は、AIにも伝わるように主語を明確にし、略語を避けて話すルールを設けてみてください。これは議事録の精度向上だけでなく、普段のコミュニケーションの質を高めることにもつながります。
このエピソードで解決できるWeb活用の疑問
SEO対策としてまず何をすべきですか?
「お客様ロールプレイ」が効果的です。お客様が検索しそうなキーワードで実際に検索し、自社や競合がどう表示されるかを確認してください。Googleの検索結果は頻繁に変化するため、シークレットモードを使って定期的にチェックすることをお勧めします。
画像検索SEOは優先して取り組むべきですか?
多くのビジネスにおいて優先度は低いです。アパレルやECサイト以外では、画像検索経由での購入(コンバージョン)に至るケースは稀です。限られたリソースは他の施策に割り当てるのが現実的です。
未経験からWebマーケティング職へ転職できますか?
接客や営業などの「対人スキル」があれば可能性は十分にあります。Webマーケティングは客商売であるため、ビジネス経験があればツールや知識は後から習得可能です。逆に顧客折衝の経験がない場合は難易度が高くなります。
Webマーケティング系の資格は取得する意味がありますか?
対外的なアピールとしては効果が薄いですが、自身のスキルアップとしては有用です。実際の現場ではジェネラリスト的な能力が求められるため、資格学習を通じて苦手分野や未経験領域の知見を広げることには価値があります。
アクセス解析で見ても改善点が見つからない場合はどうすればいいですか?
アクセス数が少ない段階では統計的なデータ分析は困難です。その場合、実際のお客様に「検討のタイミング」「判断基準」「比較対象(やらないという選択肢含む)」をヒアリングし、サイトの構成を見直す方が効果的です。
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第581回:動画まとめ回「AIにゼロ→イチを任せていませんか?それがAIの返事に満足できない原因かも」など
2025/12/28
皆さんこんにちは、ラウンドナップウェブコンサルティングの中山です。本日も「会社と経営者を強くする実践ウェブ活用ポッドキャスト」を始めていきたいと思います。ぜひとも最後までお聞きいただければと思います。
今回は、YouTubeショートなどで配信している2分前後の動画のまとめ回です。各回の始めに内容のタイトルを流し、それぞれ1分から3分程度お話ししております。YouTubeショート、Facebookのリール、Instagram、TikTok、stand.fmなどで毎日リアルタイム配信も行っておりますので、隙間時間の活用として、ぜひそちらも合わせてチェックしてみてください。
ショート動画など配信先
Youtubeショート:https://www.youtube.com/@Web-Consulting/shorts
Instagram:https://www.instagram.com/roundupconsulting/reels/
TikTok:https://www.tiktok.com/@roundup_web
StandFM(音声のみ):https://stand.fm/channels/620ddacbeb302d8b48c746c9
話題1:AIに「0から1」を任せていませんか?
中小企業においてAI活用がうまくいかないパターンの一つとして、「0から1にする部分」までAIにやらせようとしているケースがあります。
0から1を作るというのは、AIには絶対に無理というわけではありませんが、やはりパートナーとしての人間がいないと厳しく、AIが本来の力を発揮できない部分です。「新規事業のアイデアを出して」「キャッチコピーを作って」と指示しても、平凡なものしか出てこないことが多いのはそのためです。
AIは「掛け算」の存在である
AIはあくまで「掛け算」の存在であり、使う人の能力を倍々にしていくものです。しかし、元の数字(ゼロ)を何倍にしてもゼロのままです。
人の力や人間力が動いている属人的な部分を、AIでより強くする
その人がコア業務に集中できるよう、周りの雑務を減らす(逆の掛け算)
このように、0.5倍の労力で済むようにする、といった発想を持っていただくと、活路が見えてくるのではないでしょうか。
話題2:中小企業が生成AI活用でノウハウを得るために大事なこと
AI活用に挫折してしまう会社さんは少なくありません。その大きな原因の一つは、「AIを使えばすぐに便利さやメリットが得られる」という風潮にあると考えています。
最初は「壁」にぶつかるのが当たり前
実際には、活用しようとすると最初に壁にぶち当たります。「便利になると思ったのに全然ならないじゃないか」という怒りやストレスを感じることも多いでしょう。しかし、そこを何とかクリアしていくと、急に便利さが自分に舞い降りてくる、その繰り返しのプロセスが必要です。
最初から美味しい結果があると思わず、「これを乗り越えた先にいいものが待っている」という心得を持つこと。試行錯誤の過程で、「自分たちにはこういう使い方が合っている」というノウハウが見つかります。これが活用できる会社になるために重要です。
話題3:WebコンテンツをChatGPTで作る際の判断基準
Webコンテンツにおいて、生成AIをどう使うかは悩ましい問題です。全てをAIで作れば低品質になり、スパムと判定されるリスクもあります。そこでお勧めするのは、全体の流れを大きく3つに分け、「最初」と「最後」を人間が担うという考え方です。
人間が担うべき工程
一番最初(アイデア・企画):どういう人に対して何を伝えるのか、という根本の部分は人間が考えるべきです。
一番最後(監修):内容に誤りがないか、テイストやトーンが自社に合っているかなど、最終的な品質管理は人間が見る必要があります。
AIに任せるべき工程
その間の部分、例えば「構成をどうするか」「情報を肉付けしてより良くする」「誤字脱字のチェック」などは、生成AIを積極的に使うことで品質が上がります。
頭とお尻の部分は人間が監修し、真ん中をAIに任せる。このブロック分けを意識してみてください。
話題4:Webページの文章が分かりづらい原因「論理の飛躍」
Webページの文章が分かりづらいと言われる場合、その原因として多いのが「論理の飛躍」です。
論理の飛躍とは
例えば、「明日の朝は冷える。だから早く起きましょう」と言われたら、違和感がありますよね。しかし、話している人の中では以下のような論理がつながっています。
明日の朝はすごく冷える
早めに暖房をつけて、動けるようにしておかないと遅刻してしまう
だから早く起きよう
このように、自分の中で当たり前と思っていることや、あえて話す必要がないと思っている前提が抜けていると、相手には伝わりません。専門的なことに詳しい人ほどこの傾向があります。「自分の論理の流れは、相手にとっても当たり前だろうか?」と疑ってみることが、分かりやすさへの第一歩です。
話題5:Webコンテンツの形選びに潜む勘違い(テキストか動画か)
「Webコンテンツはテキストがいいのか、動画がいいのか」という議論がありますが、ここに落とし穴があります。どうしても「これが一番いい」という一つの形態に収めてしまいがちですが、実際には一つに絞る必要はありません。
シチュエーションに応じた柔軟性
ユーザーの好みやシチュエーションによって、適した形は異なります。
テキストで読みたい人
動画で見たい人
印刷して紙で読みたい人(PDFなど)
できるだけ幅広い形に対応させておくのがベストです。もしリソースの問題で一つに絞らなければならない場合は、読み上げ機能への対応や一覧性の高さなど、汎用性が高い「テキスト」が無難であると考えます。
話題6:ブログ記事の外部参照リンクは示すべきか、隠すべきか
ブログ記事などで引用を行う際、出典元へのリンクを貼ると「ユーザーがそちらへ逃げてしまうのではないか」と心配される方がいます。結論から言えば、きちんと引用元を示してリンクを貼るべきです。
誠実さが信頼とSEO評価につながる
今のユーザーは、リンク先へ飛んだとしても、すぐに戻ってきます。「行って帰ってこない」というケースは稀です。
むしろ、重要な情報をピックアップし、「もともとはこのサイトの情報ですよ」と正直に示す誠実さが、ユーザーに良い印象を与えます。また、blockquoteタグやciteタグを使って適切に引用することは、SEOの観点からもプラスになります。引用で悩んだら、隠さずにしっかりと明示することをお勧めします。
まとめ
今回のYouTubeショートまとめは以上になります。このようなトピックを、YouTubeショート、Facebookリール、Instagram、TikTok、stand.fmなどで毎日配信しております。昼活のようなイメージで、毎日の習慣としてチェックしていただければ幸いです。
Web活用についてご不安なことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。ラウンドナップウェブコンサルティングの中山がお送りいたしました。また次回もよろしくお願いいたします。
Web活用と生成AIに関するよくある質問
中小企業において生成AI活用がうまくいかない主な原因は何ですか
AIに「0から1」の創造を任せてしまっていることが原因です。AIは掛け算のツールであり、人間が作ったベース(1)がないと力を発揮できません。アイデア出しやコピー作成などの属人性が高い部分は人間が担い、AIはそのサポートや拡張(作業量削減など)に使うという役割分担が重要です。
WebコンテンツをChatGPTで作成する際の品質管理はどうすべきですか
制作工程を3つに分け、最初(企画・ターゲット設定)と最後(監修・トーン確認)は必ず人間が行うべきです。AIは中間の工程(構成案の作成、情報の肉付け、誤字脱字チェックなど)で活用することで、品質を落とさずに効率化を図ることができます。
Webサイトの文章が分かりにくいと言われるのですが、どう改善すればよいですか
「論理の飛躍」が起きていないか確認してください。自分の中で当たり前だと思っている前提条件や文脈を省略してしまうと、読者には伝わりません。専門知識がある人ほど陥りやすいため、思考の過程を丁寧に言語化して間を埋めることを意識すると改善します。
コンテンツはテキストと動画、どちらで作るのが正解ですか
どちらか一つに絞る必要はありません。ユーザーの状況や好みによって適した形式は異なるため、可能であれば両方用意するのが理想です。リソースが限られる場合は、読み上げや検索性など汎用性が高いテキストコンテンツをベースにすることをお勧めします。
ブログ
第580回:まとめ回「Web集客の前に自社に関する生成AIの誤情報を放置していませんか?など
2025/12/25
皆さんこんにちは、ラウンドナップ・ウェブコンサルティングの中山です。本日も「会社と経営者を強くする実践ウェブ活用ポッドキャスト」を始めていきたいと思います。ぜひとも最後までお聞きいただければと思います。
今回は年末年始ということで、YouTubeショートなど各プラットフォームで毎日配信している1〜2分前後の動画コンテンツを、ポッドキャスト用にいくつかまとめてお送りしようと思います。
すでに実験的に開始して3ヶ月ほど経過しており、試行錯誤している段階ではありますが、およそ100本ほど公開しています。その中から1週間分ほどをピックアップしてお届けします。特定のテーマに限らず、その時々に伝えたいことをベースに発信しています。
ショート動画向けに作成しているため、本来は画面上のタイトルで内容がわかるものですが、音声のみのポッドキャストでは伝わりにくい部分があります。そのため、合間に合成音声でタイトルをアナウンスしますので、その内容についての話題だと思ってお聞きください。
もし内容を面白いと感じていただけたら、YouTubeショート、Facebookページ、Instagram、TikTok、stand.fmなどで毎日お昼の12時頃に配信していますので、ぜひフォローしていただけると嬉しいです。それでは、まずはこちらをお聞きください。
ショート動画など配信先
Youtubeショート:https://www.youtube.com/@Web-Consulting/shorts
Instagram:https://www.instagram.com/roundupconsulting/reels/
TikTok:https://www.tiktok.com/@roundup_web
StandFM(音声のみ):https://stand.fm/channels/620ddacbeb302d8b48c746c9
話題1:自社に関する生成AIの誤情報を放置していませんか
評判管理というタスクは企業の中で重要度を増しています。Web上で誰もがつながり、情報共有できる現代において、過去の些細な不祥事などが一つあるだけで信頼が失墜し、採用や業務提携に影響が出ることも少なくありません。
もちろん、うかつな行動を慎むことが前提ですが、デタラメな情報の流布を防ぐという意味でも評判管理は非常に重要です。
具体的なチェック方法
検索エンジンの観点では、評判が良くない会社とセットで検索されやすいキーワードをチェックすることをお勧めします。
「ブラック」
「悪徳」
「離職」
こうしたネガティブなワードと、自社の「会社名」や「代表者名」を組み合わせて検索してみてください。調べられる語彙はある程度決まっていますので、定期的にこれらをチェックし、自社の評判を確認することをお勧めします。
話題2:Webマーケティングの新手法や新技術:いつやるべきかの判断基準
Web業界は新しい技術やPR手法が次々と登場します。どれを取り入れるべきか悩ましいところですが、考え方を少し変えてみることをお勧めします。
顧客視点での導入判断
「将来主流になるから」「みんなが使い出すから」という受け身の姿勢ではなく、以下のように考えてみてください。
自分たちの顧客に使ってもらいたいものか
顧客にとって大きな価値があるものか
世の中に存在する様々なものの中から、ターゲットとする顧客に価値を提供できるものを探します。見つけたものが流行していようがいまいが、顧客に提案し、一緒に取り組むことでお互いにプラスになる「Win-Win」な関係を目指してください。
このように情報収集を行うことで、モチベーションも変わり、自社にも顧客にもプラスの結果をもたらすことができるはずです。
話題3:Webサイトの「なんとなくの違和感」を放置していませんか
Webサイトに対して感じる定性的なモヤモヤや、「なんとなくおかしい」という感覚。そこから議論を始めても全く問題ありません。
むしろ、現場に近い人たちの感覚を拾い上げることが、実質的で生々しい改善につながることが多々あります。そうした声を拾える仕組みを作っておくことをお勧めします。
実際に施策として実行するか、予算をかけるかは別の議論ですが、データには表れない現場の声を吸い上げ、実際の改善につなげられる企業は強いです。ぜひそうした感覚を大切にしてプロジェクトを進めてください。
話題4:SEOにおける「サジェストローラー作戦」は古いのか
あるキーワードに対してGoogleが提示するサジェストワードを網羅してコンテンツを作る「サジェストローラー作戦」。これには賛否両論ありますが、あくまで手法の話であり、品質の話とは分けて考えるべきです。
手法と品質を分けて考える
あるトピックスに関して価値のある情報を積み上げていくこと自体は、何ら悪いことではありません。問題なのは、ネット上の情報を再構成しただけの「低品質」なコンテンツで網羅を目指すやり方です。これはAI時代においては効果がありませんし、以前から効果は薄いものでした。
一方で、自分たちの知識やまとめ方を駆使し、品質が高く顧客に役立つコンテンツを作る観点で行うのであれば、全く問題なく、むしろプラスに働きます。
話題5:Web戦略とAI活用:強みの強化より先にやるべきこと
これからAIを活用・導入しようとしている企業にお勧めするのは、「自分たちの弱みを減らす方向」での活用です。
AIを使って従業員の能力を伸ばし、強みを増やそうとするのは魅力的ですが、難易度は高いです。一方、弱みを減らすことは比較的難易度が低く、成果が出やすい傾向にあります。
AIが持つ知識は様々なベストプラクティスの集合体であるため、物事を「平均値まで持っていく」ことに長けています。逆に、他社にない独自の強みや突飛な発想を生み出すことは苦手です。
そのため、まずは弱みを減らす領域でAIを活用して評価を得て、慣れてから強みを伸ばすというステップで進めることをお勧めします。
おわりに
今回のYouTubeショートまとめは以上になります。
毎日お昼頃にYouTubeショート、Facebookリール、Instagram、TikTok、stand.fmなどで配信しています。毎日の習慣、昼活のようなイメージでチェックしていただければと思います。
Web活用についてご不安なことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。ラウンドナップ・ウェブコンサルティングの中山がお送りいたしました。また次回もよろしくお願いいたします。
Podcastの内容に関するFAQ
自社に関するネット上の悪い評判や生成AIの誤情報は、どのようにチェックすればよいですか?
検索エンジンで、自社名や代表者名と一緒に「評判」「ブラック」「悪徳」などのネガティブなキーワードを組み合わせて検索し、定期的にチェックすることをお勧めします。生成AIについても同様に自社について質問し、誤った情報が出ていないか確認することが重要です。
Webマーケティングの新しい技術や手法は、どのタイミングで導入すべきですか?
「将来流行るから」という理由ではなく、「自社の顧客にとって価値があるか」を基準に判断することをお勧めします。顧客にメリットがあり、自社とのWin-Winな関係が築けるものであれば、流行に関わらず導入を検討してください。
Webサイトに対して感じる「なんとなくの違和感」は、改善の根拠になりますか?
はい、なります。数値データには出ない定性的な違和感は、現場の生々しい感覚を反映していることが多く、重要な改善点である可能性があります。現場の声を拾い上げ、議論の出発点とすることを推奨します。
SEO対策としての「サジェストローラー作戦」は、現在でも有効ですか?
手法自体が悪いわけではありませんが、単にネット上の情報を網羅しただけの低品質なコンテンツ作成は有効ではありません。AI時代においては、自社の独自の知識や経験に基づいた、顧客に役立つ高品質なコンテンツを作ることが重要です。
これから業務にAIを導入する場合、どのような方針で活用するのが効果的ですか?
AIは既存のベストプラクティスに基づき平均点まで引き上げることが得意なため、まずは「弱みの削減」や「業務の効率化」に活用することをお勧めします。独自の強みを伸ばすのは難易度が高いため、まずは弱みを減らすことから始めて成功体験を積むのが良いでしょう。
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第579回:AI時代にメールマーケティングはどうなっている?意義はある?しっかり「効果」も「意義」もあります
2025/12/08
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
このPodcastで得られること
このPodcastでは、AI時代におけるメールマーケティングの現状と、これから何を変えるべきかを整理しています。ざっと目を通してもらうと、次のようなポイントが分かるようになっています。
チャットツールやSNSが増えても、メールマーケティングが依然として強い理由と、今後5〜10年の見通し
送信側と受信側、それぞれでAIがメールに与えている具体的な影響と、テクニック頼みが通用しにくくなる背景
これからのメールマーケティングで押さえるべき設計の考え方と、実際の始め方・ツール選定のポイント
結論から言うと、メールマーケティングは今も主力チャネルのひとつであり、AIによって「やりやすくなる部分」と「ごまかしが効かなくなる部分」がはっきり分かれてきているという状況です。テクニックを盛る前に、サービスや商品の設計と、要約されても伝わるメール内容に切り替えることが重要になります。
AI時代でもメールマーケティングが主力チャネルであり続ける理由
AIの話題やコンテンツマーケティングの話題が増える一方で、メールマーケティングそのものが語られることは以前より減っています。「チャットツールやSlackが普及したから、そろそろメールは厳しいのではないか」といった声も長くありますが、現場感としてはBtoBを中心に、メール経由のコミュニケーションは依然として非常に強いチャネルのままです。
「メールが弱くなった」と言われる場面の多くは、社内連絡や既存顧客との日常的なやり取りの話です。そこは確かにチャットツールに置き換わりました。ただし、見込み客へのセールスや情報提供のチャネルとして、メールの代わりになるものはまだ出てきていません。
一時期、BtoCではLINEなどのメッセージングアプリがメールの代替になるのではないかと言われました。LINE公式アカウントからクーポンやお知らせを送る取り組みは成立していますが、メールマーケティングで行っているような腰を据えた「濃いコミュニケーション」までは置き換えられていない状態です。
大きな理由のひとつが公私の切り分
大きな理由のひとつが公私の切り分けです。メッセージアプリはどうしてもパーソナルなやり取りのイメージが強く、そこにセールスや会社からの情報を混ぜたくない、という感覚があります。LINEの有料プランを使えばプロフィールを分けることもできますが、あまり親切な設計とは言いにくく、現実としてはメールが使われ続けています。
BtoBではメールが主力
既存顧客との継続的な接点としても、特にBtoBではメールが主力のままです。代替手段として挙げられるチャットやメッセージアプリが、売上面で決定的な成果を出しているかというと、そうはなっていません。こうした状況からも、メールは今後しばらく主力チャネルであり続けると考えてよいです。
さらに、ゼロクリックサーチ(検索結果ページ上の要約やスニペットだけで用が足りてしまい、サイト自体にはアクセスされない検索行動)やブランド検索の増加によって、ユーザーは「信頼できる会社や個人を見つけたら、そこからの情報だけを追う」という行動に寄っていきます。そのときにダイレクトに届く手段としてのメールは、むしろ価値が上がっていると言えます。
送信側から見たAIとメールマーケティング
AIとメールの関係で、まず押さえておきたいのが送信側のAI活用です。ここは昔から「最適化」という文脈でさまざまな機能がありましたが、今はそれが本格的にAIとして組み込まれたツールが増えています。
AIで楽になる仕事:コンテンツ作成と配信のPDCA
Validityのレポート「The State of Email 2025 from Litmus」と、それを参照しているNukesendの「2025 AI Email Marketing Trends」などによると、メールキャンペーンでAIを使っているマーケターはすでに多数派で、クリック率や売上でも非AIより良い結果が出ていると整理されています。
メールマーケティングは、しっかりやろうとするとどうしても手がかかるチャネルです。件名を考え、本文を書き、配信時間を決めて、ABテストをして、ステップメール(あらかじめ決めたシナリオで自動配信するメール)を設計して……と、一通りやろうとするとかなりの工数になります。
そこで今大きく効いているのが、コンテンツ作成と配信のPDCAに対するAIの支援です。具体的には次のような部分です。
件名の案出しとテストパターンの生成
配信時間の最適化(読まれやすい時間帯の自動判定)
ステップメールやキャンペーンシナリオの構成案やトピック案の生成
こういった領域はAIが非常に得意です
こういった領域はAIが非常に得意です。海外の調査では、以前は「メール1通の制作に2週間以上かかる」と答えていたチームが全体の6割以上だったところ、AI活用が進んだ結果、それが1桁台まで減ったというデータも出ています。コンテンツ作成がボトルネックでメールマーケティングに踏み出せなかった方にとっては、今はかなり良いタイミングになっています。
これまで、ステップメールのシナリオ作成や、「メール登録+ダウンロードコンテンツ」のようなフロントエンド商品(最初の接点づくり用の小さめのオファー)づくりが重くて手を付けられなかった場合も、今はAIを活用することで一気に形にしやすくなります。メールの中身を考える負荷が下がることで、「やりたいけれど時間がない」状態から抜けやすくなるという実感があります。
AIに任せてよいところと、任せてはいけないところ
とはいえ、すべてをAIに丸投げしてよいかというと、そうはなりません。現場の声としても、ネタの元からすべてAIで一括生成するのは良くないという意見が多く出ています。
AIに任せてよいのは、例えば次のような部分です。
社内の資料や既存コンテンツを読み込ませて、メール本文のたたきを作らせる
書いた文章を分かりやすい構成や文章に整えてもらう
件名やリード文の候補を複数出してもらい、テストにかける
一方で、「そもそも何を伝えるのか」「どんな価値を提供するのか」といった元ネタや設計は、人間が持っている必要があります。ここまでAIに渡してしまうと、中身が薄くなり、要約された時に何も残らないメールになってしまうんですよね。
イメージとしては、ネタと方向性は自分たちで決めて、その先の具体化やブラッシュアップをAIに手伝ってもらう形がちょうど良いです。ChatGPTやGeminiのような対話型AIに「自社の商品・サービス」「最近のお客様の状況」などを投げて、「この前提でメール案を出して」と依頼すると、かなり使えるものが出てきます。
メール配信ツール選び:AI機能があるものを前提にする
メールマーケティングをやるなら、メール配信ツールを使うことは大前提です。今もローカルでCGIを動かしたり、ただメールを一斉送信するだけの仕組みを使っているケースもありますが、そろそろクラウド型の配信ツールへの乗り換えを考えた方がよい段階になっています。
特に、次のようなAI機能を持っているツールを選ぶと、効果と運用負荷のバランスが一気に変わります。
件名の自動最適化や複数パターンのテスト機能
読者一人ひとりの開封傾向をもとにした配信時間の最適化
ステップメールやキャンペーンシナリオの提案・自動配分
こうした機能はAI登場以前から存在していましたが、AIによって精度と使いやすさが大きく上がっている領域です。ツール側が最先端を追いかけてくれていれば、自動的にその恩恵を受けられます。
一方で、現場の感覚としては、メールの本文エディタがまだ使いづらいツールも多いのが正直なところです。AIと本文エディタがシームレスにつながっていて、情報の入力から本文生成、配信設定までを一気通貫で支援してくれるツールは、まだそこまで多くありません。もしそういったものが出てきたら、私自身もすぐに試したくなる領域です。
海外ツールを検討する価値
メールマーケティングツールは、海外製の方が機能面でも価格面でも進んでいるケースが多いです。日本国内のツールだと、月額1〜3万円くらいのプランが普通にありますが、海外ツールに乗り換えるだけでコストを大きく圧縮できるケースもあります。例えば、半
第578回:ビジネスの決断のための情報探索の2つのポイント「いいところ探し」と「考えてから探す」の原則
2025/11/21
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
今回は、ビジネスの決断に本当に役立つ情報にどうたどり着くかというテーマでお話しします。単に情報を「集める」のではなく、自分の判断や行動につながる形で情報を“探索する”ための考え方について整理していきます。
この記事で得られること
このページを読むと、次のようなポイントが分かります。
ネガティブ情報に振り回されない「いいところ探し」の視点
─ 世の中の事例や他社の取り組みを見るときに、ダメ出しではなく「ここはいいな」「ここだけ真似したい」を見つけていくための具体的な考え方。
「探す前に考える」ことで、質の高い情報に出会いやすくする方法
─ なんとなく検索するのではなく、事前に「知りたいことリスト」を持った上で情報を取りにいくための簡単な習慣。
AIやニュース、SNSに触れるときに、自分の感覚を守るコツ
─ ChatGPT や Gemini を含む対話型AI(人工知能)の使い方のポイントと、他人の意見を先に見過ぎないためのちょっとした工夫。
先に結論:情報探索の3つの原則
本文では順を追ってお話ししますが、先に要点だけまとめておきます。
「いいところ探し」をする
ネガティブな情報は「これはやらない」という選択肢を減らす役割にとどまりがちです。
他社事例やニュースを見たときは、まず「どこが良いか」「どこなら真似できそうか」を探し、いいと思った理由と実行までの筋道をその場でメモしておくことが大事です。
探す前に考える
なんとなく情報を探すのではなく、あらかじめ「知りたいことリスト」を持った状態でニュースや情報に触れることで、「これは自分のテーマに関係ありそうだ」というポイントに気づきやすくなります。
ChatGPT や Gemini などの対話型AIを使うときも、ざっくりとした質問ではなく、自分の前提や状況を踏まえた具体的な問いにしていくことがポイントです。
まず自分の感覚で考える
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のコメントやレビューを先に見過ぎると、自分の感覚が分からなくなりがちです。
まずは自分はどう感じたのかを一度整理してから、他人の意見を「材料」として取り入れることで、自分のレーダーやアンテナを鍛えていくことができます。
情報収集ではなく「情報探索」に切り替える
なぜ「情報をたくさん集めているのに決断できない」のか
情報は集めているつもりなのに、いざというときに「結局どれを選べばいいのか分からない」「行動に移せない」という感覚はないでしょうか。
私自身も、自分の情報の取り方を振り返る中で、「ここに1つ、分かりづらいけれど原因があるな」と感じるようになったポイントがあります。それが、「情報収集」と「情報探索」を混同してしまっているという点です。
「情報収集」という言葉から自然に行ってしまいがちなスタイルは、たとえば次のようなものです。
すぐに役に立ちそうなノウハウやテクニックを
大量の情報の中から「宝探し」のように見つけ出して
そのまま“ポン付け”しようとする
ただ、このやり方だと、たとえ「すぐ使えそうなノウハウ」が見つかったとしても、
他の人も同じ情報にたどり着いていて、優位性にならない
自分の状況と本当に合っているかどうかの判断があいまい
そもそも「そのまま使えるノウハウ」自体がそんなに多くない
といった問題が出てきます。
ではどうすれば、自分の判断や行動につながる形で情報を“探索”して見つけていけるのか。ここが今回のテーマです。
「情報収集」と「情報探索」の違い
まず、言葉の定義をはっきりさせておきます。
概念
イメージ
情報収集
目の前にある情報の中から、使えそうなノウハウやテクニックを拾ってくるイメージ。
情報探索
先に「自分は何を知りたいのか」「どんな判断をしたいのか」を考えた上で、必要な情報を筋道立てて集め、判断や行動につなげていくプロセス。
同じニュースを読んだり、同じ本を開いたりしても、
「ただ眺める」のか、「自分の判断のために読み解く(自社ならどう応用できるかを考えながら読む)」のかで、得られるものはだいぶ変わります。
この前提を押さえたうえで、ここから「情報探索」を実践するための2つ(+1)のポイントを整理していきます。
ポイント1:情報の「いいところ探し」をする
ネガティブ情報が増加しがち理由
今の世の中を見ていると、ニュースサイトにしても、SNSにしても、多くの情報がネガティブ寄りになっていると感じませんか。
分断や対立をあおるような話題や、感情的なぶつかり合いのようなやり取りの方が、どうしても注目を集めやすいからです。その結果、SNSやネットニュースの世界では、ネガティブな情報や炎上しそうな話題が拡散されやすくなり、誰かを批判したり、何かを否定する情報が目に入りやすくなっていると感じます。
当然ですが、経営やビジネスの判断に使う情報としては、これだけではどうしようもありません。むしろ時間の無駄になることさえあります。
ネガティブな情報は、「これはやってはいけない」という選択肢を減らす役割にはなりますが、「では何をやるのか」というストレートな行動にはつながりにくいことが多いからです。
ネガティブ情報は「選択肢を減らす」役割にとどまりやすい
例えば、100個の選択肢があるとします。ネガティブな情報は、
「この2つは危ないからやめておこう」「このパターンだけは避けよう」
といった形で、せいぜい1〜2個の選択肢を消す役割を果たしてくれるんです。もちろん、それにも意味はありますし、重要な役割です。
ただ、100個あった選択肢が98個になっただけでは、次に踏み出す一歩はまだ見えてきません。そこで意識したいのが、「いいところ探し」です。
「ここはいいよね」を意識的に探す
他社の事例やニュース、誰かの意見を見たときに、最初から粗探しをしない。これがとても重要です。
具体的には、次のような視点で見ていきます。
「いろいろあるけれど、ここはいいな」
「この決断はすごいな」
「この部分だけなら、うちでも真似できるかもしれない」
どんな情報であっても、大なり小なり、
ここでこういう決断をしたのはすごい
この場面でこうやって人を動かしているのは参考になる
この一部分だけ切り出せば、うちでも試せそう
といったポイントが、どこかに潜んでいることが多いです。
そこを意識的に拾っていくと、「やってはいけないこと」を知るだけでなく、「やってみてもいいこと」の候補が増えていきます。
そしてこの「やってみてもいいこと」は、ネガティブ情報のように「無数の選択肢の中からいくつか選択肢を消すだけ」ではありません。
「これをやってみよう」というダイレクトな行動に直結しやすい情報です。ポジティブに選んだ情報ほど、行動に結び付きやすいと考えています。
1. その場で言語化しておく
ここで1つ注意点があります。「なんとなくいいな」と思っただけでは、時間が経つとその感覚を忘れてしまうことが多いです。
そこでおすすめなのが、次のような「考えの筋道」を、その場で軽くメモしておくことです。
なぜ自分はそれを「いい」と感じたのか
どこが魅力的に映ったのか
どんな場面でなら自社でも試せそうだと思ったのか
ポイントは、完璧な分析をする必要はまったくないということです。
「多分こういう理由でいいと思ったんだろうな」という程度で構いません。
あとから見返したときに、自分の頭の中でどういう連想が起きていたのか、どの順番で「これやってみようかな」という気持ちになったのかが分かるくらいで十分です。
2. 「自分のやりやすい形」でメモを取る
このときのメモ方法は、本当に何でも大丈夫です。
スマホのメモ帳に、思いついたことを打ち込む
紙のノートに、殴り書きで箇条書きしておく
移動中などは、音声で録音しておく
私自身は、打てる状況ならメモ帳に打ち込み、難しいときは音声で録音しておいて、あとから生成AIにまとめてもらうことが多いです。
昔は「音声を録ったあとに、もう一度聞き返して、自分で書き起こす」のが大変でしたが、今は ChatGPT や Gemini などの対話型AIに読み込ませれば、要約や整理を任せることがで
第577回:中小企業がWebのパートナー選びでトラブルを避ける実務ポイント
2025/11/07
画像で内容のまとめ
ポッドキャスト書き起こし
良いマーケティングエージェンシーを選ぶためのチェックポイント
今回は、Xのポストでも少し引用したのですが、マーケティングエージェンシーを選ぶ際に押さえておきたいポイントについてお話しします。これはウェブ広告に限らず、サイト制作やコンサルティングなど、皆さんのパートナーとなる会社を選ぶ際にも役立つ内容です。
こういったテーマは、どうしても業界ごとのポジショントークになりがちです。その業界で長く仕事をしていると、自然と特定の切り口で物事を見てしまいますし、商売としてそう発言せざるを得ない側面もあるでしょう。
私もなるべくポジショントークにならないよう心がけていますが、普段から中小企業の「現場主義」を掲げてコンサルティングを行っているため、どうしてもその視点が強くなる点はご容赦ください。
今回この話題を取り上げようと思ったのは、海外の中小企業向けマーケティング会社のCEOが書いた記事を読み、「なるほど、これは皆さんにシェアしたい」と感じたからです。その記事で挙げられていた項目を引用しつつ、私自身の経験や知見を交えて解説していきます。
今回の内容を聞いていただくことで、現在パートナーを探している方は、選定時の質問や検討の材料になるでしょう。また、すでに付き合いのある会社がいる方は、改めて関係性を見直すことで成果が出やすくなったり、今後の付き合い方を考える目安になったりするはずです。皆さんにとってより良い関係性を築くきっかけとして、今回のチェックポイントを活用していただければと思います。
海外の失敗事例から学ぶ、エージェンシー選びの重要性
今回ご紹介するのは、『Duct Tape Marketing』という会社のCEO、サラ・ネイ氏が書いた「Questions to ask before hiring a marketing agency」という記事です。
元記事はリンクを載せておきますので、ぜひGoogle翻訳などを使って読んでみてください。より中立的な視点が得られるかと思います。
10 Questions to Ask Before Hiring a Marketing Agency or fCMO
https://ducttapemarketing.com/questions-to-ask-before-hire-a-marketing-agency/
記事では、2つの極端な失敗例が挙げられています。
1. 内容を理解しないまま、高額なSEOサービスを3年契約してしまった
一つは、いわゆる「丸投げ」状態で、月8,000ドル(約120万円)のSEOサービスを3年契約で縛られてしまったケースです。成果については書かれていませんが、失敗例として挙げられている以上、おそらく出ていなかったのでしょう。月額120万円は、コンテンツ制作費を含んでいるかは不明ですが、中小企業から中堅企業にとってかなりの投資額です。
2. 広告アカウントの所有権がなく、トラブルになった
もう一つは、月1万ドル(約150万円)をかけてGoogle広告を運用していたものの、広告アカウントの所有権が自社になかったために、トラブルに発展したケースです。
これらの事例は、導入を分かりやすくするためのものかもしれませんが、金額の大小はあれど、実際に起こりがちな生々しい話でもあります。特にSNS関連では、もっとドロドロした話も耳にします。
今回は誰かを批判することが目的ではありませんので、早速チェックすべきポイントについて見ていきましょう。
契約前に確認すべき7つの重要ポイント
1. 広告アカウントやデータの所有権は自社にあるか?
最初に出てくるのが、広告アカウントや解析ツールのアカウント、データの所有権を自社で持てるかという点です。
これは日本のまともな代理店であれば、口酸っぱく言っていることなので、常識になりつつあるとは思います。お客様自身でアカウントを作成してもらうか、代理店が作成して譲渡するなど、お客様がいつでも管理画面を見られるようにするのが一般的です。しかし、地方などでは「管理画面はお見せできません」という代理店がまだ存在するという話も聞きます。
確認すべき質問
「契約が終了した際、広告や解析ツールをスムーズに自社で引き継ぎ、管理・運用できますか?」
「広告費用やコンバージョン数など、管理画面で確認できるデータを、いつでも私たち自身が見られる状態にしてもらえますか?」
もし代理店から「自社のアカウント内で運用しているので切り離せません」といった説明を受けた場合は、本当に注意してください。
元データにアクセスできず、代理店が作成したレポート経由でしか数字を見られない状況は非常に危険です。まず、そうした古いやり方をしている会社であること自体がリスクですし、パートナーとして対等な関係を築く意識が低い可能性があります。
データは会社の生命線です。お互いがいつでもデータを見て、それに基づき意見交換をしながら改善を進めていくのが本来あるべき姿です。データを見せない、あるいは契約終了後にアカウントを譲渡できない会社とは、基本的に付き合わない方が良いでしょう。
また、「こちらで全部やりますから、皆さんは見なくていいですよ」といったように、クライアントを依存させようとする姿勢の会社も避けるべきです。「考え方・方向性が分からないなら教えますので、ぜひ見てください」と言ってくれる会社を選びましょう。
2. 「成功の定義」は売上に繋がっているか?
次に、「何を成功とみなすか」が明確になっているか、という点です。
ここで注意したいのは、成功の定義がアクセス数、クリック数、SNSのフォロワー数といった、ウェブ上のデジタルな数字だけで完結していないか、という点です。これらはKPI(重要業績評価指標)にはなり得ますが、必ずしも売上に直結するとは限りません。
そうした指標だけを見て、「コンバージョンが増えましたね、良かったですね」で終わってしまう会社は避けましょう。
確認すべきポイント
増えたコンバージョンの「中身」まで気にしてくれるか?
「問い合わせ内容は悪化していませんか?」「営業に繋がらない問い合わせが増えていませんか?」といった確認をしてくれるか?
施策実施後、「その後の成約率はどうでしたか?」「見込み客の熱量はどうでしたか?」といった、最終的な成果まで踏み込んでくれるか?
特に最近は問い合わせフォームへの営業メールなども多く、ツールの設定によってはコンバージョン数が実態と乖離して跳ね上がることがあります。その数字だけを見て何の疑いもなく「成功です」と報告するような代理店は危険です。
クリック数やフォロワー数が業績と明確に連動していると双方で合意できているなら話は別ですが、そうでなければ、最終的な売上まで気にしてくれるパートナーを探しましょう。可能であれば、問い合わせ内容などを共有できる関係を築くのが理想です。
3. 短絡的な施策だけでなく、大局的な戦略はあるか?
個別の戦術、例えば「新しいページを作りましょう」「広告の出稿先を増やしましょう」といった単発の提案は出てくるものの、その背景にある大きな戦略が見えない会社は避けた方が良いでしょう。
ウェブマーケティングの競争は激化・飽和しており、短期的に「これをやれば上がる」という魔法のような施策はほとんどありません。「将来的にこういう姿を目指すために、今はこれをやります」という中長期的な視点に基づいた全体像がなければ、施策は場当たり的になり、投資対効果も悪化します。
確認すべき質問
提案された施策が「何を目的として」いて、「自社をどのような姿にするために」必要なのか、その意図を尋ねる。
提案された手段(How)だけでなく、その目的(What)や理由(Why)をきちんと説明してくれる会社を選びましょう。
手段だけを提案するのは楽ですし、実行するのも簡単です。しかし、それが成果にどう繋がるかはやり方次第です。
もし定例会などで提案された内容がよく分からなければ、「よく分かりません」と正直に伝えることが大切です。その質問に対して、きちんと相手に合わせて分かりやすく説明できるのが、本当に良いパートナーです。専門家の言うことだからと萎縮せず、臆せずに質問しましょう。そこで相手の本当の実力が見えてきます。
4. 契約終了後のプロセスは明確か?
どんな契約にも終わりは来ます。契約が終了した後のことを明確にしてくれる会社を選びましょう。
特
第576回:Webマーケで対話型AIからより良い回答を得るコツをAIの仕組みから考える(自己回帰型トランスフォーマー)
2025/11/05
ChatGPTでがっかりした経験はありませんか?
今回は、対話型AI、特ChatGPTやGeminiについて、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。
ChatGPTのような文章生成AIを使った際に、「なかなか満足のいく回答が得られない」「思ったような品質にならない」と感じた経験はないでしょうか。
一度は軽い絶望感や、がっかりした気持ちを味わった方も多いかもしれません。その結果、「やっぱりまだ実用的ではないな」と感じ、使うのをやめてしまった方もいるのではないでしょうか。
このようなことが起こる大きな理由の一つは、私たちが対話型AIの「得意なこと」をきちんと把握していないからかもしれません。今回の内容を読んでいただくことで、ChatGPTやGeminiなどから、より質の高い、実用的な回答を引き出すヒントが得られるはずです。
そのためには、まずAIがどのようにして文章を生成しているのか、その仕組みを少しだけ知っておくことが近道になります。そこで本記事では、まずAIの仕組みを分かりやすさを優先して解説し、その上で「なぜ思った通りの回答が返ってこないのか」「どうすれば質の高い回答を引き出せるのか」について、具体的なポイントを解説していきます。
AIが苦手な「オープンクエスチョン」と得意な「条件付け」
生成AIから満足のいく回答を引き出せない方の使い方を見ていると、ある共通点に気づきます。それは、「オープンクエスチョン」をしてしまっているケースが非常に多いということです。
例えば、以下のような質問です。
「最高の〇〇を考えてください」
「我が社にとってベストで、他にないようなものを作ってください」
「最高の提案をしてください」
実は、AIはこのような漠然とした質問がとても苦手です。その理由は後ほどAIの仕組みの部分で詳しく説明しますが、まずはこの点を覚えておいてください。
では、逆にAIは何が得意なのでしょうか。それは、条件や関連情報を適切に与え、方向性を定めた上で、ゴールまでの道筋を模索させることです。つまり、入り口と出口がはっきりしている課題解決を得意としています。
「問いを立てる能力」の本当の意味
よく「AIを使いこなすには、問いを立てる能力が重要だ」と言われます。「問いを立てる能力」と聞くと、優れた質問をする力のように思われがちですが、本質は少し違います。これはむしろ、適切な「初期の条件付け」を行い、「どうなってほしいか」というAIにとってのゴールを明確に設計し、指示する能力だと捉えると、より具体的になります。
もちろん、考える過程をAIに手伝ってもらうことは有効ですが、すべてを丸投げして「とりあえず売上を上げるために一番やるべきことを教えて」のように質問すると、たいていは漠然とした、どこかで聞いたことがあるような一般的な内容が返ってくるだけです。
AIを使いこなすとは「丸投げ」ではない
「AI」と聞くと、どうしても「丸投げで答えを出してくれる魔法の道具」というイメージがあるかもしれません。しかし、本当にAIを使いこなす能力とは、丸投げする能力ではなく、AIが最も得意なことを、得意なやり方でやらせてあげる能力です。
これが上手な人は、AIから単なる情報ではなく、実際の現場で本当に役立つ質の高いアウトプットを引き出すことができます。
なぜAIは平凡な回答しかできないのか?その仕組みを解説
では、なぜオープンクエスチョンではありきたりな答えしか返ってこないのでしょうか。その理由を理解するために、ChatGPTのような対話型AIが文章を生み出す仕組みを簡単に見ていきましょう。
文章生成の心臓部「自己回帰型トランスフォーマー(Transformer)」
少し専門的な言葉になりますが、ChatGPTなどは「自己回帰型トランスフォーマー(Transformer)」という技術がベースになっています。これは以下のような仕組みで動いています。
トランスフォーマー(Transformer)
単語を、様々な特徴を持つパラメータの集合体(ベクトル)に変換する仕組みです。ゲームのキャラクターに「素早さ」「力」「特殊能力」といった多数のパラメータがあるように、一つの単語を多くの側面から数値化して捉えます。
自己回帰型
直前の文脈(一つ前や二つ前の文章)を踏まえて、「次にどの単語が来ると最も自然か」を予測し、言葉を紡ぎ出していく仕組みです。
つまり、AIは与えられた文脈や情報に基づいて、最も適切と思われる単語を確率的に繋ぎ合わせることで、文章を生成しているのです。
AIは「既存の知識のつながり」から答えを見つける
AIが単語を選ぶ際の根拠となるのは、「モデル」と呼ばれる膨大な知識データベースです。このモデルは、インターネット上のテキストなどを事前に学習(プリトレーニング)して作られた、いわばAIの脳みそです。AIの回答は、すべてこのモデルの中にある知識や単語同士のつながりが元になっています。
ここで重要なのは、AIはすでにある言葉と言葉の結びつきや、既存の概念を元にして答えを生成するという点です。「最高の提案」のようなオープンクエスチョンを投げかけると、なぜ平凡な答えが返ってくるのか。それは、特に条件が指定されていなければ、AIは世の中で「最高の提案」という言葉と一緒によく使われる、ごく一般的な単語の組み合わせを提示するしかないからです。「よくある質問」には「よくある答え」が返ってくるのは、ある意味で当然なのです。
「今までにないもの」が生まれない理由
「他社がやっていないこと」や「今までにないアイデア」を求めても、期待外れの結果に終わることが多いのも、この仕組みを考えれば理解できます。
「どこにもないもの」とは、言い換えれば「まだ言葉と言葉が結びついていないもの」です。AIは既存のデータのつながりを元に回答を生成するため、そもそもデータの中に存在しない、あるいは関連性が極めて薄い組み合わせを自発的に生み出すことは原理的に非常に困難です。
誰も思いつかないような突飛なアイデアは、AIのデータベース(モデル)の中では単語同士の関連性がないため、そもそも選択肢に上がってきません。このAIの基本原理を理解しておくことが、うまく付き合っていくための第一歩です。
AIから質の高い回答を引き出す3つのポイント
では、どうすればAIの能力を最大限に引き出せるのでしょうか。それは、AIが苦手なことをさせるのではなく、得意な土俵で仕事をさせることです。具体的には、以下の3つのポイントが重要になります。
ポイント1:具体的な「条件付け」で考える範囲を絞る
まず最も重要なのが、人間がAIのために適切な条件を与えることです。漠然と問いかけるのではなく、以下のよう考えるべき範囲を具体的に絞り込んであげましょう。
目的:何を得たいのか、何を実現したいのか、誰にどんな結果をもたらしたいのか。
制限・境界条件:予算の上限、使えるリソース(人員、時間)、関連する法律や規制、競合が強い領域など。
ここで欲張って条件を緩くするよりは、むしろ現実的な制約をできるだけ多く与える方が、AIは質の高い回答を出しやすくなります。絞り込みすぎたと感じたら、そこから一つずつ条件を緩めていく、というアプローチがおすすめです。これは、人間に仕事を依頼する時と同じだと考えると分かりやすいでしょう。
ポイント2:「うまくいった例」をデータとして蓄積する
AIに良いヒントを与えるために、成功事例や参考情報をデータとして蓄積していくことも非常に効果的です。これは社内のナレッジとしても財産になります。
社内の成功事例:過去にAIを使って良い回答が得られた質問(プロンプト)と、その回答をセットで保存しておきましょう。Googleフォームやスプレッドシートのような簡単な仕組みで十分です。
外部の参考情報:他社の事例や業界の動向、新しい組み合わせで成功した商品のニュースなど、参考になりそうな情報をテキスト形式でまとめておき、AIに読み込ませられるように準備します。
こうした「うまくいった例」をAIにインプットすることで、AIは「こういう観点で言葉のつながりを探せば、良い答えにたどり着きそうだ」というヒントを得ることができ、回答の精度が格段に向上します。
ポイント3:「探索」と「深掘り」のフェーズを分ける
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